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高等教育授業料の私費負担、OECD平均の2倍以上

リセマム 9月16日(金)17時15分配信

 経済協力開発機構(OECD)は9月15日、OECD加盟国のうち35の国と地域を対象に、教育の質や教育機会の向上に向けた取組みを調査した「図表で見る教育2016(Education at a Glance 2016)」の結果を公開した。

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 「図表で見る教育(Education at a Glance)」は、OECDに加盟する35の国と地域を中心に、教育機関の成果と教育・学習の効果、教育への支出と人的資源、教育機会・在学・進学の状況、学習環境と学校組織などについて、国際比較が可能な最新のインディケータ(指標)をもとに各国の取組み状況を調査するもの。1992年以来、ほぼ毎年刊行されている。

◆高等教育授業の私費負担、OECD平均の2倍以上

 2010年から2013年の加盟国の国内総生産(GDP)に対する小中高等教育への公的支出および私費負担は、対GDP比が4.5%と、OECD平均約5.2%を下回った。教育機関に対する支出の私費負担割合をみると、日本は高等教育段階での総教育支出のうち、私費負担で賄われている割合がOECD平均30%の2倍以上の65%。高等教育段階での授業料がOECD加盟国の中でもっとも高い国のうちのひとつであるにも関わらず、高等教育機関に対する教育支出の家計負荷は51%と、OECD平均の21%を大きく上回っている。

 OECD諸国と比べ、順位が高かったのは未就学児の就学前教育の在学率。2014年時点で、3歳児の81%、4歳児並びに5歳児の96%が就学前教育を受けており、これはOECD平均を大きく上回る。OECD平均は、3歳児71%、4歳児86%、5歳児95%。OECDは、「質の高い幼児教育の保証が子どもの将来を変える」としている。

 男女別の進学傾向では、高等教育過程に進む男女生徒は男性のほうが上級過程に進む傾向にあり、工学・製造・建築、自然科学、社会科学、商学・法学分野では、女性修了者の割合が低かった。ただし、就業率および所得水準における男女格差は、ほかのOECD加盟国に比べると極めて小さい。

◆勤務時間の多くは授業より校務

 中学校1クラスあたりの生徒数は32名で、比較できる33か国のうち2番目に大規模であることがわかった。小学校1クラスの生徒数は27名。同時に、教員一人あたりに受け持つ生徒数も多く、国公立教育機関に務める教員の法定勤務時間合計は、すべての教育段階でOECD諸国でもっとも長時間に及ぶ年間1,891時間となった。ただし、法定勤務時間に占める授業時間の割合は小さく、OECDは「日本では授業の準備、添削、教育相談、課外活動、事務業務、生徒指導、職員会議などの授業以外の活動に非常に多くの時間が費やされている」と分析している。

 勤続年数15年以上の小中高校教員の給与は平均49,378USD(約503万円)だが、OECD平均が増加傾向にあることに対し、日本はこの数値は2005年から2014年の間に7%減っているという。ただし、給与が減額傾向にあるとはいえ、法定最高給与はOECD平均を上回っている。また、教員に占める女性の割合は48%と、比較できる32か国中ではもっとも低い数値だった。

《リセマム 佐藤亜希》

最終更新:9月16日(金)17時31分

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