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球団社長は野球の素人 金本監督は“GM兼任”で補強陣頭指揮

日刊ゲンダイDIGITAL 9月16日(金)9時26分配信

 来年の今頃はスポーツ紙を賑わせているかもしれない。

 阪神の金本監督(48)は就任1年目の今季、「超変革」をチームスローガンに戦ったが、積極的に起用した多くの若手は戦力にならなかった。しかも、主力の鳥谷は極度の不振に陥り、西岡は故障の連続。終盤は最下位争いの体たらくで、早々とストーブリーグに突入した。今の話題といえば、当然オフの補強ということになるのだが、FAや助っ人取りの采配を振るのも、現場リーダーの金本監督だというのだ。

「昨オフ、球団社長が南(信男)さんから四藤(慶一郎)さんに代わり、新監督に金本を呼んだ。前社長はちょっとばかり野球の知識があったから、ドラフトや補強も自分の考えを押し通した。でも、新社長はまったく野球がわかっていない。今オフの補強や人事などは金本監督の言いなりです。資金に限界はあるものの、フロントは金本監督の希望通りに動くことになる。つまり、監督がGMを兼務するということだね」(阪神OB)

 金本監督は残り10試合で、使える若手とそうでない選手を見極め、ゴメスの去就なども判断するそうだが、すでに頭の中には、いくつかの補強プランがあるという。前出のOBが言う。

「オフのFA市場は、野手では糸井(35=オリックス)に平田(28=中日)、陽(29=日本ハム)が目玉。3人がFA宣言すれば、金本監督は糸井に行くでしょう。理由? ホームランは出るし、ヒットは広角に打てる。何しろケタ外れに身体能力が高い。金本監督が最も好きなタイプの選手だからね。あとは、30本以上打てる大砲に、先発と抑え。久々に金がかかるオフになるだろう」

■韓国プロ野球のMVPに照準

 主に4番を打ってきたゴメスは本塁打21、打点は75。得点圏打率は3割に満たず、4年目の来季も中軸を任すには物足りない。すでに阪神は4番候補として、韓国プロ野球ダイノスのエリック・テイムズ(29=右投げ左打ち)をリストアップしている。

 かつてマリナーズにいたこの助っ人は昨季、打率・381で首位打者となり、47本塁打、140打点、40盗塁をマーク。シーズンMVPに輝いた。韓国3年目の今季も、3割、40本、110打点以上の数字を残している。

「阪神は2年ぐらい前からテイムズをマークしている。今年もスカウト部長の木戸(克彦)さんたちが視察に来ましたよ。年俸は日本円にして1億3000万円ぐらい。資金力のある阪神さんなら、口説けるんじゃないですか」(韓国球界関係者)

 もちろん金本監督もテイムズの打撃はビデオでチェック済み。獲得を希望しているという。

 今季の阪神の助っ人補強といえば、投手は抑え候補にドリスとマテオ、内野はヘイグを取ったが、いずれも期待を裏切った。FA補強も中日から中継ぎ左腕の高橋聡だけ。6月に獲得した中継ぎ右腕のサターホワイトも含めて、大物は皆無だった。

 シーズン中、やたらと選手の力不足、能力の低さを責めたのは、現有戦力への不満の裏返し。このオフは金本監督の陣頭指揮で、FA糸井、大砲のテイムズ、先発、抑えと、戦力をかき集め、来季は05年以来のペナントを目指すことになるというわけだ。

■掛布二軍監督は複数年契約

 だがしかし、GM兼任の、いわゆる全権監督というのは、好きなようにチームをつくれる半面、大きな責任が伴う。

 金本監督は阪神と、3年とも5年ともいわれる長期契約を結んでいるといわれるが、大金使って、「アレ取れ」「コレも取れ」といって結果が出なければ、自らクビを絞めることになる。

 古参OBが言う。

「かつて星野は就任1年目のオフ、血の入れ替えといわれた、大胆なチーム編成を敢行した。当時のオーナーだった久万(俊二郎)さんの信頼が厚く、まさにGMも兼ねていたからね。多くのベテラン、助っ人をクビにする一方、FAで金本を取り、トレードで下柳、野口、メジャーからは伊良部、ウィリアムスを獲得。金もかかったが、2年目に優勝した。あれでBクラスに終わっていれば、3年契約でも星野は間違いなくクビだった。金本も同じです。幸い、85年日本一の功労者でもあるカケ(掛布雅之)は来季も二軍監督を務める。ポスト金本には困らない。それを望んでいるわけではないが、全権監督というものはそれだけ大きな責任があるということだよ」

 三顧の礼で迎えられた金本監督も意外に短命で終わるかもしれない。

最終更新:9月16日(金)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL