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【巨人V逸の理由】(4)「ポスト山口」不在、首脳陣は「左が欲しいのに…」

スポーツ報知 9月16日(金)11時2分配信

 広島の背中がかすんだ9月1日。G球場では2軍対3軍の練習試合が行われていた。由伸監督と視察した尾花投手コーチは物足りなさそうに口を開いた。「オッと思うような選手はいなかった」。そう話した後、本音が続いた。「左が欲しいのに」。嘆きは、今季最大ともいえる課題が、秋を迎えてもなお解決していない事実を示していた。

【写真】悔しそうな表情で空を見上げる坂本

 長年、救援陣に上質の安定をもたらしてきた山口が不振に苦しんだ。自己ワーストの6敗を喫し、防御率は4~5点台を推移。7、8回を山口とマシソンでつなぎ、9回を沢村に託す構想は前半戦のうちに崩れていた。

 昨季まで8年連続60試合登板。勤続疲労はやむを得ない。由伸監督はフル回転してきた左腕の復調の道を懸命に模索した。時にワンポイントに職務を限定。7月下旬からは10日以上、登板間隔をあけた。8月には中盤の5回に投入するなど負担を軽減して状態と自信の回復を図ったが、完全復調には至らなかった。

 2軍再調整の選択肢はチーム事情が許さなかった。山口の失点に接するごとに、首脳陣は「左は代わりがいない」と口をそろえた。長年、方程式の一角として常勝を支えた左腕の低迷より、本質的な問題は「ポスト山口」の不在にあった。

 内海の後継者として、田口が台頭した先発とは対照的な現実。球団は数年前から危機感を抱いていた。球界を代表するリリーフの代役など容易には見つからないが、山口に頼れなくなる日は遅かれ早かれやってくる。だからこそ、2014年ドラフトでは2位という、救援投手としては異例の高順位で戸根を獲得した。昨季は防御率2点台、今春は侍ジャパン入り。順調にステップを踏んでいたかにみえたが、簡単にはいかなかった。

 開幕2戦目の3月26日、1回持たず3失点。2日後、左腕のウーゴを支配下登録した。堤GMは「戸根投手の投球は年に何回かある“調子が悪い”で片付けられるようには受け取れない」と名指しした。明らかに意図的だった。「期待の裏返しで言った」(同GM)が真意だったという。“荒療治”が必要なほど、救援左腕の台頭を待ち望んでいた。

  思惑通り、戸根は「悔しい。見返したい」と反応した。異例の名指し以降、11戦1失点。危機感をあおるフロントの狙いが奏功しかけた時、アクシデントが起きた。5月1日に打球をよけた際に首痛を発症。復帰後は安定感が戻らなかった。4月には日本ハムからリリーフ専門左腕の乾をトレードで獲得。既存戦力の尻を懸命にたたいたが、結局、山口という大きな存在に取って代わる者はいなかった。

 由伸監督は「田原や宮国が、投げる試合を抑えて沢村やマシソンを脅かさないと」と左右に固執せず、使いながら成長を促した。6~7月には7回を宮国に託し右3人の方程式を形成したものの、宮国がコンディション不良で7月下旬に2軍落ち。マシソン、沢村への依存度はさらに高まった。リリーフの支柱が苦しみ、確固たる代役もいないまま広島との差が開いた。ブルペンの軸だけではない。先発の柱もまた、別の意味でもどかしいシーズンを送っていた。(特別取材班)

最終更新:9月16日(金)22時37分

スポーツ報知

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