ここから本文です

形骸化する「ノー残業デー」 部下を定時に帰す3つの法則

日刊ゲンダイDIGITAL 9月16日(金)9時26分配信

 安倍政権が長時間残業を規制する方向で議論を始めた。それ自体は決して悪いことではないが、残業が減ってもタダ働きが増えたり、収入が目減りしたりするのは困る。そんな背に腹は代えられない事情があるのか、現場では残業があまり減っていない実情が浮き彫りになった。

 マクロミルが、40代の正社員200人を対象に残業に関する調査を行ったところ、ノー残業デーを導入していると答えた人は38%。そのうち「常にみんな帰っている」と回答した人は、32%にとどまった。ノー残業デーを設けている会社でも7割近くは機能していないわけだ。

 金融マンの男性は本店勤務で毎週水曜日がノー残業デーだが、「ちゃんと帰るのは月に1回もない」とあきらめ気味だ。「支店から書類を頼まれると断れないから、残って仕事するしかない」と言う。

 ビジネスコンサルタントの横山信治氏が言う。

「ノー残業デーといえども、部下が売り上げや他部署との仕事を理由に残業されると、上司は断りきれないでしょう。でも、そういう特例を認めると、ノー残業デーそのものがなし崩しになって、形骸化します。だから、ノー残業デーを機能させるには、仕事が理由であっても、特例を認めてはダメなのです」

 冒頭の男性も、「ノー残業デーがスタートした当初は、機能していた」と振り返る。だれかがクライアントの書類作成を理由に仕事をするようになってから、いつしかなし崩しになってきたという。では、どうするか。

「ある時間になると、パソコンやオフィスの電気など仕事をするためのインフラそのものを使えないようにするのがひとつ。もうひとつは、仕事の結果で評価する仕組みを整えること。一定の時間内に2倍の仕事やより質の高い仕事をこなす人をダラダラ仕事している人より正当に評価するのです。その2つによって、社員はデッドラインを目標に仕事の成果を出すようになり、ダラダラ仕事する意識が失せていく。3つ目は、上司が率先して帰ることです。ノー残業デーの対象に管理職が含まれないと、“上司が残っているから”というサラリーマン感情から、社員は帰りにくいのです」(横山信治氏)

 部下が残業せずスムーズに仕事をこなせば、上司のチェックも楽だ。その分、上司も部下も会社帰りの楽しみが増える。上司もさっさと帰ろう。

最終更新:9月16日(金)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL