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週刊BCN、福岡で「SIer、リセラーのためのITトレンドセミナー」を開催

BCN 9/16(金) 17:51配信

週刊BCN、福岡で「SIer、リセラーのためのITトレンドセミナー」を開催

九州経済調査協会 調査研究部研究主査の中川敬基氏

 週刊BCNは9月16日、「SIer、リセラーのためのITトレンドセミナー~求む!ビジネスパートナー~」と題し、SIerとリセラー向けのセミナーを福岡市博多区の福岡県Ruby・コンテンツ産業振興センターで開催。基調講演のほか、全国展開に注力するベンダーが商材とパートナー戦略を紹介した。

 基調講演は、九州経済調査協会 調査研究部研究主査の中川敬基氏が登壇。「IoT/Industrie4.0と地域経済振興」と題して講演した。

 中川氏は冒頭、「IoTに対しては、人によってさまざまな解釈があるが、つながっていないものをつなぐ、というように広く捉えてほしい」とIoTについて紹介した。そのなかでも、IoTの本質的な部分は「生産性の低い現場にIT投資を進め、かつ導入後の稼働率を上げて、競争力や効率化につなげることが一番大事」として、全国でみると九州地域では農林漁業を除くと多くの業種の生産性が低いのが現状で、IoTを適用すべき環境にあると説明した。

 なかでも、地域中核企業にIoTを適用することが有効とのこと。その理由について、中川氏は「福岡県の地域中核企業の産業規模は19兆円。IoTでこの10%を効率化できれば、2兆円近くの効果がある」と経済効果の視点から解説した。ちなみに、IoTやインダストリ4.0に関して、「日本は効率化を追求してきているので、インダストリ4.0だからといって何もする必要がないと言う人がいるが、それは間違い。新興国は、インダストリ4.0によって国際競争力を獲得する。何もしないと、日本は相対的に国際競争力を奪われる。国外でのムーブメントであり、日本はやらなくてよい、は乱暴な議論」だと警告した。そのうえで、ITベンダーの役割として、ユーザー企業に知らせるべきなのは、「政策的な事例ではなく、諸外国の同業他社のIT事例」だと語った。また、IoTやインダストリ4.0において、SIerに期待される役割は、足りないピースの組み合わせや新事業具現化をサポートする「事業生態系リモデル」だとし、それらをプロデュースできる人材を育てるべきだと提案した。最後にIoTやインダストリ4.0の効果を最大限、地域経済に残すような活動をしていきましょうと呼びかけ、講演を締めくくった。

 セッション1では、「総デジタル時代を生き抜くヒントとは ~成長し続けるITビジネスを考える~」と題し、SAPジャパン パートナー統括本部 パートナー開発本部長の亀田俊氏が登壇。SAPは従来のオンプレミス型ERP中心の製品ポートフォリオを刷新、クラウドベンダーへと大きく舵を切っていると説明。「SAPは今、とても数多くの商品を提供している。みなさんと協働できる領域があると思う。また、パートナーの支援制度も充実していて、SAPのパートナーになるにあたって新たな投資をしなくてもいい。少しでも興味があったら、ぜひ声をかけてほしい」と参加者に呼びかけた。

 セッション2では、「次世代ファイアウォール/UTM『Clavister(クラビスター)』のご紹介 ~アプライアンス、仮想、IoT、組込型UTMビジネスを見据えて~」と題し、キヤノンITソリューションズ セキュリティソリューション事業部 セキュリティソリューション営業部の柳澤直樹氏が登壇。身代金を要求するという新型ウイルスとして話題のランサムウェアについて、具体例を用いて解説。こういった情報セキュリティ対策に有効なUTM製品「Clavister」を紹介した。柳澤氏は「UTMでの実績は多く、さまざまなノウハウがある」とし、参加者と一緒に新しいビジネスを展開したいとアピールした。

 セッション3では、「国産NASヘッドを利用したデータ共有とデータ保護アプライアンス製品のご紹介」と題し、アーク・システムマネジメント代表取締役の日吉孝浩氏が登壇。同社のNASはハイエンドNASと低価格NASの中間のポジションにあり、「ミッドレンジのNASは当社のみが提供していて、世界的にもない」と日吉氏。ミッドレンジという導入のしやすさに加え、バックアップ機能を備えているため、導入後すぐに運用できることをアピールした。日吉氏は最後に「当社のNASは、アプライアンスとしての販売、NASヘッドのみでの販売、OEM仕様での供給に対応している。ぜひ、ご相談いただきたい」と、協業を訴えた。

 セッション4では、「ビッグデータ、IoT、マーケティングなど、あらゆる要望に対応するBIツール~Yellowfin~」と題し、Yellowfin Japan 大阪オフィス マネージャーの足立宏之氏が登壇。Yellowfinは、デバイスを問わず、使いやすさに注力しているウェブベースのBIツール。日本法人を立ち上げて約2年となるが、その前からSIer経由で販売していて、ユーザーは200社を超えていると説明。現在は、パートナー経由での販売に注力している。セッションでは、データ活用やレポートの作成方法などが簡単にできることをデモンストレーションを交えながら紹介した。最後に足立氏は、「パートナー契約がなくても、お客様から引き合いがあったというケースではデモンストレーションなどの対応をするので、気軽にお声掛けいただきたい」と参会者に呼びかけた。

 セッション5では、「貴社のクラウド事業を加速!? 飛ぶように売れているクラウドセキュリティ HDE Oneとは」と題し、HDE 事業開発室 事業開発室長の辻悠太氏が登壇。辻氏は、「クラウドは普及期にあり、ほとんどの企業が何らかのかたちで採用している。もはや、一般的になった」と市場動向を語った。ところが、セキュリティに対しては2社に1社が心配しているとし、その対策を提案する必要があると解説。そのうえで、マイクロソフト「Office 365」やグーグル「Google Apps」向けのセキュリティ強化クラウドサービス「HDE One」を紹介した。HDE Oneは、「不正ログイン対策」「スマートフォン紛失対策」「メール情報漏えい対策」の三つの機能を提供する。最後に辻氏は、パートナー制度を紹介し、「今後は福岡支店を検討していて、支援の体制を整えたい」と語り、パートナープログラムへの参加を呼び掛けた。

 最後に主催者講演として、週刊BCNの編集長、畔上文昭が「オープンとデジタルのイノベーション ~IoTやAIはインフラとなる~」と題し、クラウドやビッグデータ、IoT、AI(人工知能)といったキーワードの相関関係などを紹介しながら、デジタルトランスフォーメーションについて解説した。

 休憩時間とセッション終了後に名刺交換会を実施。講演者と参加者、また参加者同士の情報交換で盛り上がった。なお、週刊BCNは今後、「ITトレンドセミナー2016」シリーズを広島市と金沢市で開催することを予定している。

最終更新:9/16(金) 17:51

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