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セラピー犬たちと触れ合える「人と犬との憩いの場所」はモフモフ天国! 最高に癒されてきた

ねとらぼ 9/16(金) 11:55配信

 目が見えない人や体が不自由な人の手助けをする盲導犬や介助犬、事件の解決を手助けする警察犬など、人間のために働いている犬は多くいます。その中でも、まだあまりメジャーなイメージはない「セラピー犬」。特殊な訓練を受け、人を癒してくれる犬です。そんなセラピー犬と触れ合える場所があると耳にし、行ってみました。

【写真】ワンちゃんに囲まれハーレム状態】

 新宿から小田急線に乗って約40分。神奈川県大和市の大和駅から徒歩5分ほどの場所にNPO法人日本アニマルセラピー協会が母体となって運営している「一般社団法人 人と犬との憩いの場所」はあります。

 利用料金は1時間1500円。料金を払って中に入ると、6頭のかわいらしいワンコたちが元気良くお迎えしてくれました。室内は、清潔で明るい雰囲気。リビングのようにソファや座椅子があり、カーペットが敷かれている一角もあります。

 この日いたのはゴールデンレトリーバーのレオ君とヨハン君にマロンちゃん、柴犬の優ちゃん、アメリカン・コッカー・スパニエルのマリリンちゃん、バーニーズマウンテンドッグの夢ちゃん。お仕事に出ているワンコもいるので、日によってメンバーは違うそうです。また、指名制度もあり、指名料(2000円~6000円)を払うと、セントバーナードやグレートデーン、ジャーマンシェパードといった犬種とも触れ合うことが可能です。

 店内の案内やセラピー犬の説明をしてくれるのはアニマルセラピストさん。「ソファに座ったり、寝転んだり、リラックスしてくださいね」と促され、座椅子にかけると、ワンコたちが寄ってきました。みんな人懐っこくて積極的にぺったりとくっついてきてくれます。セラピー犬と触れ合うのは初めてなのですが、どのワンコもとってもフレンドリーなのがうれしい。まさに、モフモフ天国や!

 人間にくっついてばかりかと思いきや、ワンコ同士で遊んでいる姿も見受けられました。

 どの子も性格が違い、見ているだけで楽しい! マリリンちゃんはちょこまかしていて好奇心旺盛で、思わず笑ってしまうようなお茶目な仕草もいっぱい。筆者は柴犬の優ちゃんがお気に入りの子になりました。少し気まぐれで猫のような性格にズキュンと胸を打ち抜かれたんです。

 犬たちと触れ合っていると、アニマルセラピストさんから飲み物を勧められ、お茶をいただくことに。この飲み物代も料金に含まれています。

 「セラピー犬は介護施設や高齢者施設にホスピス、児童養護施設や学校といった場所を訪問して、人を癒す犬です。でも、そのような施設に入居していない方だと、セラピー犬と触れ合える機会はなかなかありません。そこで、猫カフェの犬版といった形で、セラピー犬と触れ合える場所を作りました。多くの方に犬が持っている癒すパワーを知ってもらいたいんです。犬の社会的地位が上昇すれば、犬の殺処分も防げると思います」と語るのは、人と犬との憩いの場所の理事長・風間詠子さん。

 セラピー犬と普通の犬との違いは、どこを触られても怒らないことと、無駄ぼえしないこと、ほかの犬とケンカをしないように社会性が身に付いていること。知的障害のある子どもなどは力の加減が分からず、強い力で犬をつかんでしまうこともあります。しかし、セラピー犬たちはそのような事態でも決して怒ることはないようトレーニングされています。トレーニング期間は犬によって違いますが、1~3年程訓練を受けたのち、セラピー犬としてデビューします。

 セラピー犬の中には保護犬(飼い主がおらず、動物愛護団体などに保護された犬)もいます。虐待を受けた子どもや非行に走っている子どもがセラピー犬と触れ合うと「僕も捨てられたんだけど、お前も捨てられたのか」と共感し合って、心の傷を癒す効果も。

 この日、触れ合うことのできたゴールデンレトリーバーのヨハン君も、トルコの道端でゴミを食べて生きていたところを風間さんが保護し、日本に連れて帰ってきたワンコです。日本に来た当初はトルコ語しか分からず、アニマルセラピストさんもトルコ語を勉強してヨハン君に接していたそうですが、今はきちんと日本語が分かる、バイリンガルワンコとなりました。ヨハン君は保護犬ですが、日本アニマルセラピー協会で生まれて訓練を受けた子や、ブリーダーのもとからやってきた子などもいます。

 高齢者や寝たきりの方がいる施設をセラピー犬が訪れると、普段はリハビリに積極的でない患者さんも、ワンコに触るために手を動かして、心の癒しだけでなく、リハビリのお手伝いにもつながるそうです。また、犬を触ると、脳内から「幸せホルモン」とも言われるオキシトシンが分泌されます。末期のがん患者がセラピー犬を触っている間はオキシトシンの作用により、痛みが軽減されるのだとか。そしてオキシトシンはセラピー犬を触っている人間だけでなく、触られているセラピー犬でも分泌されるというので驚きです。人間も犬もハッピーになれるんですね!

 セラピー犬と触れ合う際は必ず、犬の扱いや性質をきちんと勉強したアニマルセラピストが間に入り、ワンコの名前や性格などを教えてくれます。

 アニマルセラピストには3つの種類があり、AAA(Animal Assisted Activity:動物介在活動)は高齢者などに犬と触れ合うことで元気になってもらう活動、AAE(Animal Assisted Education:動物介在教育)は子どもたちに犬と触れ合ってもらい命の大切さなどを教える活動、AAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)はドクターと組んでペットロスやうつ病の人を癒す療法に携わります。

 人と犬との憩いの場所ではこの3つとも対応しており、保護者が同行してきた知的障がい者の方や、ドクターに犬とのふれ合いを勧められたうつ病の方、子どもに情操教育をしたい保護者、そのほかカップルがデートコースとしてこの施設を訪れるそうです。またアニマルセラピスト資格に興味を持つ人からの相談にも対応しています。

 人と犬との憩いの場所は開設から4年弱。今まで3000人以上が訪れています。風間さんがセラピー犬と触れ合える場所を作ったのは、自身のペットロスが大きく関わっています。4頭の犬を飼っていた風間さんですが、1頭が亡くなってしまい、その悲しみを癒してくれたのも、また犬たちだったとのこと。

 「不思議な話ですが、ペットロスと末期のがん患者の思考のプロセスは同じなんです。最初は『なんで私ががんに!?』『なんでこの子が死んじゃうの!?』という怒りから始まり、その後『自分は今までどうやって生きてきたのだろう』『この犬は私に何をしてくれたのだろう』と、疑問がわき反省し、最後には『今までありがとう』という感謝で終わるんです。今後は、ペットロスを発症したり、ペットロスが原因でうつ病を患ってしまった方のケアも、セラピー犬を通じてしていけたらと思います」(風間さん)

 病気でなくても、生きていると誰だって落ち込むことはあります。そんなときは、ワンコたちと触れ合うと、再び前を向いて生きていけそうです。

一般社団法人 人と犬との憩いの場所
住所:神奈川県大和市中央4-6-27 キングビル1F
電話:046-260-8585

最終更新:9/16(金) 11:55

ねとらぼ