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<国連安保理>米が核実験自粛決議案…来週にも採択へ

毎日新聞 9月16日(金)12時35分配信

 【ニューヨーク國枝すみれ】米オバマ政権が国連安全保障理事会で採択を目指す、全ての国に核実験の自粛を求める決議案の全容が15日、安保理筋への取材で分かった。決議案は、国連加盟国全てに核実験全面禁止条約(CTBT)の早期署名、批准を求めるほか、核実験の休止状態(モラトリアム)の継続も要求。米英仏中露の常任理事国は既に同意しており、来週中の採択を目指している。

 決議案は「核兵器のない世界を作り出すための環境整備が大切だ」と指摘した上で、1996年9月に国連総会で採択され、署名が始まったCTBTを「核軍縮と核不拡散のための重要な措置」と位置づけた。

 そして、CTBTを早期に発効させるため、すべての国に署名、批准を促すほか、条約発効には核活動を大規模に実施している44カ国の批准が必要であることを念頭に、これらの国すべてに早期批准を訴えている。

 また、すべての国に核実験の自粛を求めている。今月5度目の核実験を強行した北朝鮮以外は、98年5月のインド、パキスタンの核実験を最後に核実験のモラトリアムを続けており、この状態の継続を求めている。

 決議案はさらに、核実験を探知するための観測施設を各国に整備するよう要請し、取り組み状況をウィーンに本部を置く核実験全面禁止条約機関(CTBTO)に、定期的に報告するよう求めている。

 CTBTOは地震計などの探知機器を約80カ国、約300カ所に既に設置。こうした観測施設の整備を進めることで、秘密核実験の防止を目指す。

 CTBTは今月で採択20年となる。オバマ政権はCTBTの批准を目指しているが、共和党が多数派を占める議会の反対で実現していない。また、常任理事国で核保有国の中国や、核実験を実施したインド、パキスタン、北朝鮮なども批准しておらず、CTBTは発効できないままだ。

 「核なき世界の実現」を訴えるオバマ大統領は、自身最後の国連総会の機会を利用し、批准の機運を高めることを目指している。

最終更新:9月16日(金)13時32分

毎日新聞