ここから本文です

「海道東征」吹奏楽に 大阪・浪速学院、学院曲として未来へ

産経新聞 9月16日(金)7時55分配信

 日本建国の神話を格調高く描いた交声曲「海道東征」が、編曲「海道東征 浪速」として新たに生まれ変わった。オーケストラと声楽からなる交声曲版としてつくられた同曲を吹奏楽部でも演奏できるようにと、学校法人浪速学院(大阪市住吉区)が編曲に取り組んだ。すでに学校行事で演奏され、10月の入試説明会でも披露する予定だ。

 皇紀2600年奉祝行事として、交声曲(カンタータ)「海道東征」は昭和15年、日本作曲界の重鎮である信時(のぶとき)潔(きよし)(1887~1965年)と北原白秋(1885~1942年)が作った。この交声曲は、敗戦とともに封印され歴史の表舞台から消えた幻の名曲だったが、戦後70年と信時の没後50年が重なった昨年、信時の故郷・大阪で戦後初の全曲演奏が実現した。

 「神社神道」を建学の精神とする同学院の木村智彦理事長がこのことを知り、生徒らにもぜひ聴いてもらいたいと思い、浪速中学・高校の吹奏楽部で演奏できるよう学院曲としての編曲に取り組んだ。

 「海道東征」は全8章からなり、演奏時間は50分に及ぶ長い曲のため、このうち1、2、6、7、8章を抜粋。信時の親族からの承諾も得た上で、同校外部講師でトロンボーン奏者の万浪弘和さん(41)が、約8カ月かけて吹奏楽用に編曲。学校名の一部も含めて「海道東征 浪速」と命名した。

 古来の日本の音楽を連想させる厳かな音色が特徴的な原曲のイメージを残すため、鉄琴をバイオリンの弓でこすって雅楽のような雰囲気を出すなど工夫。万浪さんは「今後何十年と学校で演奏され続ける曲。高校生が演奏するため、難しくなりすぎないように気を付けました」と説明する。

 「海道東征 浪速」は、すでに学内行事で演奏されたほか、10月から12月にかけて行われる浪速高校の入試説明会の一部でも披露する予定。他の章も今後、編曲を進めていくという。

 木村理事長は「雅楽の荘厳な響きを再現するなどし、日本人の魂をゆり動かす音楽になった。学院曲として未来永劫(えいごう)つなげ、生徒に聴いてもらえたら」と話している。

最終更新:9月16日(金)7時55分

産経新聞