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<EU>首脳会議、政策行程案を協議「信頼の再構築」目指す

毎日新聞 9月16日(金)21時32分配信

 【ブラチスラバ八田浩輔】欧州連合(EU)離脱を決めた英国を除くEU27加盟国が16日、スロバキアの首都ブラチスラバで非公式の首脳会議を開いた。英国の離脱後の結束維持を再確認すると同時に、欧州市民からの「信頼の再構築」を目指し、重点政策の行程表案を初めて示して協議した。

 トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は、欧州で右派をはじめとする反体制政党への支持が拡大していることを踏まえ、英国の選択を「英国特有の事象とみなすのは致命的な誤り」と述べて、EU全体の教訓と位置づけた。そのうえで今回の首脳会議を「欧州市民の信頼を再構築する」(EU高官)ための場とし、世論調査で関心が高いテロや難民・移民問題など安全保障政策の見直しを議論の中心に据えた。

 加盟国間に溝がある難民・移民問題を巡っては、100万人以上が流入した2015年の混乱を繰り返さないことを共通認識とし、域外国境管理を強化していく方針で一致。中東欧諸国からの要望を受けて、トルコと国境を接するブルガリアへの支援策を充実させる。

 さらに今後の重点政策を巡る議論では、軍事任務を一元化する司令部の常設化など、これまで英国が消極的だった防衛協力の拡大や、失業率が高止まりしている若年層の就業支援などについても話し合った。

 一方、英国との離脱交渉を巡っては、英国による正式な離脱通告が来年以降にずれ込む見込みのため、詳細な議論は行わなかった。離脱通告までは一切交渉をせず、英国が望むEU単一市場への参入についても労働者など人の移動の自由を要件とする従来の方針を再確認するにとどまった。

 EUは来年3月、欧州統合の原点である欧州経済共同体の設立条約(ローマ条約)締結60年の節目を迎える。27加盟国の首脳は、今回の議論を「出発点」と位置づけ、来年3月にローマで予定している会議に向けて、英国なきEUの将来についての話し合いを積み重ねていく。

最終更新:9月17日(土)3時2分

毎日新聞