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【巨人V逸の理由】(最終回)菅野が敵の底力を引き出し味方が重圧で力む悪循環

スポーツ報知 9月17日(土)11時2分配信

 7月28日、首位・広島と9ゲーム差で迎えた直接対決(京セラD)で、菅野の自分への怒りが爆発した。3回2死から田中に先制ソロを許してベンチに戻ると、グラブを投げつけて悔しがった。近寄って声をかける野手はいない。ピリピリした空気がベンチに充満した。結局、完封負けで敗戦投手になり、優勝が遠のいた。相手からは「菅野は一人で背負い過ぎじゃないのか」との声も漏れた。

【写真】14日の中日戦では今季最多の139球も実らなかった菅野

 前半戦は報われない試合が続いた。開幕から10登板中、8試合が自責点0だったが、味方の援護なく4勝止まり。投げ合った相手はエースばかりではない。DeNA・今永、ヤクルト・成瀬、中日・バルデス、阪神・岩貞が快投した。なぜか。1―0の完封で菅野に勝った岩貞は「菅野さんのテンポがすごく良く、絶対に1点もやれない、とこっちも乗っていけた。自然と投手戦になった」と分析。圧倒的な投球が、皮肉にも相手の力を引き出した。

 野手陣は菅野の登板時、「援護ができていない」と重圧を感じて余計に力が入る悪循環だった。年間通して援護点は平均2点台。長野は「打てていないのはみんな意識している。逆に意識しすぎて打てなかった」と振り返る。由伸監督も「力み? それもあると思う」と話した。最多勝争いを演じる広島・ジョンソン、野村が平均5点台。24連勝した13年の楽天・田中も平均6点台の援護があった。比較すると、寂しい数字だった。

 今季、菅野は「いけるところまでいかないと、見えるものも見えない」と開幕から飛ばして防御率0点台と圧倒した。だが、無援護が続く中「0点に抑えれば負けない」と背負い込み、徐々に慎重になった。相手打線にも研究されて粘られ、球数が増えた。好調時のように簡単にアウトを取る場面が減った。

 以前、菅野は「防御率は投手の実力。勝ち星は運もある」と話していた。ヤクルト・山田は「菅野さんは全ての球種がいい。簡単に打てない」と話し、DeNA・筒香も「ダントツでナンバーワン」と絶賛。ソフトバンク・内川も「今季対戦した中で一番良かった」と最大級の賛辞を贈った。

 防御率1点台で球界を代表する投手であることは間違いない。ただ、昨年に続いて首位との直接対決に敗れて登板日(8月24日)にマジック点灯も許した。全てが野手の責任とも言えない。開幕前、「絶対的な存在になりたい」と話していたが、ここぞで必ず勝てる投手を絶対エースとするなら、終盤の負けられない試合で絶対に先取点を与えない、0点に抑えるなど、もうひと踏ん張りが必要だった。ハイレベルな話だが、それは巨人のエースの宿命。優勝のためには、序盤だけ良くてもダメだと痛感しただろう。

 守護神の沢村は3度、菅野の白星を消した。現在、防御率リーグトップの1・90で9勝6敗。エースが投げる日に確実に勝つことは、チーム全体の課題だ。逆転日本一を目指す戦いが待っている。求められるのは、相手より失点を少なくしてどんな形でも勝つ投球。意地を見せるチャンスは残っている。(特別取材班)

=おわり=

最終更新:9月17日(土)12時51分

スポーツ報知

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