ここから本文です

【デキる人の健康学】“不健康食品”が世界規模で増えている

産経新聞 9月21日(水)11時30分配信

 日本や欧米諸国などの先進諸国では、野菜や果物などの健康的食品の流通も増えたが、一方でファストフードや加工食品などの不健康食品も急速に広まっている。

 1990年以降の世界的レベルでの食文化の変化は予測できないほど速く、多くの国が伝統的な食文化を失いつつある。しかし、この食文化の変化の方向性が果たして健康的な方向に進化しているのか、あるいは不健康な方向に進化しているのかに関しては良く理解されていなかった。

 英国ケンブリッジ大学の代謝科学研究所の疫学部門の今村博士らの研究グループは世界187カ国450万人の食事調査から、健康的な食品と不健康的な食品の消費動向から各国の食事の健康度をスコア化し国別に採点した。

 健康的な食品として全粒粉、野菜、果物、魚類、ナッツ類、豆類、ミルクなどの健康食品の消費量、一方、不健康的な食品として砂糖・人工甘味料入り飲料、赤肉、加工肉などの不健康食品の消費量をスコアを用いて187カ国別に採点した。

 健康的な食品のスコアが最も高かったのはギリシャ、トルコなどの地中海沿岸諸国で健康的とされる地中海食を反映したと考えられた。逆にスコアが低かったのはハンガリーなどの中欧諸国やウズベキスタンなどの旧ソビエト諸国で、日本は187カ国中上から90番目のスコアを示した。

 一方、不健康的な食品でスコアが最も高かった(不健康食品の消費量が低かった)のは食品の流通が未だ発展途上であるエチオピアやバングラディッシュなどのアジア・アフリカ諸国、逆に最もスコアが低かったのはファストフードなどの食品流通が既に普及した米国や欧州の先進諸国だった。

 日本のスコアは187カ国中上から118番目だった。「2020年には肥満などの非伝染性疾患による死亡率が75%以上になるという予想があるが、この数字を下げる鍵は食事の改善にある」と今村教授。不健康食品の国際的流通が健康食品の普及効果を相殺している現状に警鐘を鳴らしている。

■白澤卓二(しらさわ・たくじ) 1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。1990年より2007年まで東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダー。2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2015年より白澤抗加齢医学研究所所長。日本テレビ系「世界一受けたい授業」など多数の番組に出演中。著書は「100歳までボケない101の方法」など300冊を超える。

最終更新:9月21日(水)11時30分

産経新聞