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お金のマネジメントは貧困層に学べ!?

投信1 9/16(金) 15:35配信

マイクロファイナンス機関の顧客の融資返済率について、以前、『実は返済率の高いマイクロファイナンス。では何が問題か?』でご紹介しました。

これは、読者の皆様には直感的には理解しづらいかもしれません。貧困層はあまり教育を受けておらず、読み書きや計算もままならないような状態であり、彼らにお金を貸すマイクロファイナンス機関の貸倒率や延滞債権率は高いのではないかと思われる方も多いはずです。

しかし、本当にそうでしょうか?  実は貧困層は驚くほど様々な「金融商品」を利用しており、むしろ先進国に住む我々よりもお金のマネジメントが上手いのではないか、ということが最近の研究で言われ始めています。

貧困層の「キャッシュフロー」と「リスク」

著者は中米や東南アジアのマイクロファイナンス機関の顧客を訪問し、インタビューおよびグループディスカッションを通じた調査を行ったことがありますが、マイクロファイナンス機関の顧客は通常、複数の収入源を持っています。

たとえば、ある農民はキャッサバ、紫芋、トウモロコシの3種類の農作物を育てており、週に2日程はタクシードライバーとして働いていました。また、海外に出稼ぎに行っている息子から仕送りももらっています。3種類の農作物は収穫できる時期や回数が違うので、それぞれ異なる「キャッシュフロー」を生み出します。タクシードライバーの仕事も歩合制なので、独自のキャッシュフローを生み出します。息子からの仕送りは「定収入」です。

これらすべてのキャッシュフローに関し、それぞれ独自の「リスク」があります。疫病に弱い農作物もありますし、タクシーの車両が故障してしまうかもしれません。ガソリン代が上がればタクシー業から入ってくるキャッシュフローは減ります。このように、彼は種々の異なる「ポートフォリオ」をマネジメントしています。

また、これらの活動を行うには「初期投資」が必要です。農作物を育てるには種や肥料を購入する必要がありますし、タクシードライバーをするには車両を借りなければなりません。また、子育ては「長期的な投資」でもあります。教育投資をすることによって子供が知識を身につけ、出稼ぎに行って仕送りをくれることで投資を回収できます。

もちろん子育てをそのような費用対効果の視点だけで考えているわけではないと思いますが、少なくとも子供を持つことは途上国農村部においては「リスクヘッジ」です。子供は農地における労働力になりますし、将来自分が年老いた際に面倒を見てくれる存在でもあります。途上国農村部において出生率が高いのはこのような理由もあるでしょう。

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最終更新:9/16(金) 15:35

投信1

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