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ブドウ「ティアーズレッド」 超大粒 スモモ級 種なし、皮ごと、糖度20 長野の農家 初出荷

日本農業新聞 9月16日(金)7時0分配信

 1粒がスモモほどの大きさにもなる超大粒のブドウ新品種「ティアーズレッド」を、長野県果樹研究会ブドウ部会長の飯塚芳幸さん(66)が今年、初出荷した。平均の1粒重が50グラム程度になる大粒が特徴で、種なしで皮ごと食べられる。中には直径5センチ、100グラム超というギネス級の大きさになる果粒もある。裂果するのが課題だが、大粒大房をセールスポイントに、高級品種として売り込む考えだ。

 この品種は、長野県生坂村のブドウ農家、関口孝さん(43)が育成した。「クルガンローズ」に「リザマート」を交配。今年6月に種苗登録された。果皮は濃紫赤。果粒は楕円(だえん)形をしている。ジベレリン処理で種なしになる。苗木は関口さんが販売する。関東や中部地区の11人が研究会を組織して植栽、意見交換をしながら栽培方法を探っている。

 飯塚さんは4年前に関口さんから苗木を譲られ、試験栽培をした。加温と無加温のハウスに5本を植え、昨年に初なりしたものの、裂果で全滅した。今年は栽培技術を工夫して裂果を減らし、初出荷にこぎ着けた。

 糖度20以上、1粒50~60グラム、1房1~1.2キロに仕上げて直販できた。一般的な大粒系品種は1粒重が15~20グラム程度とされているので、超大粒系と言える。

 驚くのは、一つの房で50グラム程度の果粒に混じって、1粒だけ102グラムの果実があったことだ。大粒になる特徴を改めて確認した。「シャインマスカットばかりが脚光を浴びているが、種がなく皮ごと食べられるだけでなく、今後は1粒50グラムを超える品種が有望だ」と飯塚さん。自身も超大粒系品種を育種し、種苗登録を目指す。

 裂果対策が課題で、ハウス栽培が前提になるとみる。そのため関口さんも普及には慎重だ。飯塚さんは「育成者や栽培する仲間と共に、解消する技術を開発したい」と意気込んでいる。

日本農業新聞

最終更新:9月16日(金)7時0分

日本農業新聞