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台風被災の久慈市、復旧財源確保のため事業見直しへ

デーリー東北新聞社 9月16日(金)10時8分配信

 台風10号による豪雨の影響で甚大な被害を受けた久慈市が15日、復旧に充てる財源を確保するため、既に予算化している事業の見直しに着手した。復旧を後押しする激甚災害指定が16日に閣議決定される予定だが、個別の事案に対する国や岩手県の支援は不透明。財政調整基金を取り崩す以外に、予算を捻出する異例の対応に踏み切った。市幹部は「今回はあまりにも被害額が大きい。災害復旧を優先するためだ」と強調している。

 15日の庁議で、澤里充男総務部長が各部長に対し、既に着手している事業を含め、予算執行の必要性を見直すよう要請した。

 背景には国、県の支援の在り方が見通せない現状がある。

 例えば災害ごみの処理費用について、東日本大震災では国が約43億円を全額負担。今回は震災を上回らないまでも数十億円を見込んでおり、通常の補助率では1割が地元負担となるという。

 それ以外の復旧事業でも、震災時のように国の手厚い支援を受けられる保証はない。市の持ち出しが増加し、財政運営の重荷になる可能性がある。

 市は災害復旧に関する補正予算編成で、貯金に当たる財政調整基金を取り崩して必要な財源を確保する考え。だが、現在の残高は約10億円と決して多くはない。

 既に一部事業は“凍結”が決まった。15日は市文化会館・アンバーホールの舞台音響設備改修工事の入札を中止し、先送りすることを公表。事業費は2億300万円だったが、復旧事業に回す方針だ。

 市幹部は「どれだけ財源を確保できるか分からないが、全庁的に事業の見直しを進めたい」と述べ、緊急事態への対応に市民の理解を求めている。

デーリー東北新聞社

最終更新:9月16日(金)10時8分

デーリー東北新聞社