ここから本文です

群大病院手術死影響10億円超 補助金や収入減少

上毛新聞 9月16日(金)6時0分配信

 腹腔鏡や開腹手術を受けた患者が相次いで死亡し、高度医療を提供する「特定機能病院」の承認が取り消された群馬大医学部附属病院(前橋市)について、一連の問題の影響による補助金や収入の減少が2014~15年度で10億円超と推定されることが15日、会計検査院の調べで分かった。信頼回復に向け、病院は安全管理体制の強化など改革を急いでいる。

 検査院は「医療事故は信頼を傷つけ、経営や機能に影響を与える」として、各大学病院に安全管理態勢の充実を求めた。

 検査院によると、群馬大病院は15年6月に特定機能病院の承認を取り消され、診療報酬基準が変わって入院基本料などが下がった。承認取り消し以降の患者数に基づいて試算すると約2億4400万円の減収。がん診療連携拠点病院の指定が更新されなかったことによる15年度の減収も約8600万円と試算された。また、補助金は約7億2700万円分の申請を実際に取り下げた。

 病院の統計によると、患者数は近年ほぼ右肩上がりで増えていたが、問題が明らかになった14年度、入院患者は微増にとどまり、外来患者は減少に転じた。15年度の延べ患者数は13年度と比べ入院患者で約6800人、外来患者は約2万6千人少なかった。

 群馬大は「患者数減は医療事故の影響もあると考えている。影響額も非常に重く真摯(しんし)に受け止めている」としている。

 問題の影響を重く見た県は本年度、群馬大病院をがん診療の「中核病院」に独自に指定。群馬大病院が、がん診療連携拠点病院の国指定を外れた影響で、地域の医療機関が受けられなくなっていた診療報酬加算が一部復活した。5月には群馬大と医療安全体制の構築や信頼回復の方法を話し合う協議会を設置し、特定機能病院の再承認を目指している。

 群馬大病院の問題を踏まえて検査院は、今年3月末時点で特定機能病院である41国立大学病院(群馬大病院を除く)の死亡事案の報告・検証態勢も調査。8病院では一部死亡事案を医療安全管理部門に報告しておらず、3病院は死亡事案を報告していたものの、原因の検証は一部にとどまっていた。これらの11大学は取材に対し、態勢を整備したり準備したりしていると回答した。

最終更新:9月16日(金)6時0分

上毛新聞