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社説[民進党代表に蓮舫氏]政権との対立軸を示せ

沖縄タイムス 9月16日(金)7時15分配信

 民進党の新たなかじ取り役に、代表代行の蓮舫氏(48)が選ばれた。

 旧民主党と旧維新の党が合流して初めて行われた代表選で、前原誠司元外相(54)、玉木雄一郎国対副委員長(47)の2候補を大きく引き離して当選した。高い知名度と強い発信力が期待されたようだ。

 蓮舫氏は「信頼を一つずつ積み重ねて国民に選択してもらえる政党にしたい」と決意を示した。だが、その前途は極めて厳しい。

 民主党時代の稚拙な政権運営に対する有権者の不信はいまだ根強い。

 共同通信社が8月に実施した全国世論調査では、民進党の支持率は10・9%にとどまり、自民党の39・1%に遠く及ばない。7月の参院選では野党共闘が一定の成果を挙げたものの、改選議席を大きく減らした。党勢の回復は見通せず、崖っぷちの状態に変わりはない。

 圧倒的な議席数を擁する政権与党の対抗勢力となるため、野党第1党の民進党に求められているのは、政権の受け皿となるための態勢だ。そのためにも党の理念、基本政策、目指す社会像を明らかにし、政権奪還へ向けて巨大与党への対立軸を示すことが急務となる。政権批判だけにとどまっていては、「表紙」をすげ替えただけだ。党の再生はおぼつかない。

 憲法改正や安全保障、共産党を含む野党共闘などを巡り、党内には多様な意見がある。蓮舫氏には、代表としての考えをより明確に示すとともに、党内の意見を集約する手腕が問われている。

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 蓮舫氏のこれまでの発言で納得がいかないのは、名護市辺野古への新基地建設に対する考えだ。

 代表選期間中、「(辺野古)移設は私たちの政権で決めたことなので、この方向性は変えることはないと思う」と述べ、米軍普天間飛行場の移設先として辺野古に新基地を建設する政府方針の堅持を表明した。前原、玉木の両氏が、見直しも視野に入れて議論すべきだと主張したのと違いが際立った。

 民進党県連は今回、候補者3氏に米軍基地の整理縮小に向けた要望書を提出した。その中で「辺野古移設は白紙に戻して、県民の理解を得られるような道を模索するべき」だと提示している。

 蓮舫氏が県連の要望を軽視するのであれば、「沖縄に寄り添っていない」と自身が批判した安倍政権の姿勢と何ら変わりはない。沖縄の声を真摯(しんし)に受け止め、県連との意見交換を重ねながら見直すべきだ。

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 今回の代表選は本来、政策論争などを通して党の存在感をアピールする好機だった。だが、注目が集まったのは蓮舫氏個人の台湾籍問題で、二転三転した説明によって批判を浴び、危機管理の甘さを露呈した。自ら不信感を招いた責任は重い。

 26日には臨時国会が召集され、憲法改正の論議が本格化するとみられる。10月には衆院東京10区と福岡6区の補欠選挙を控える。政権選択選挙となる次期衆院選へ向けた態勢づくりも急務だ。

最終更新:9月16日(金)7時15分

沖縄タイムス