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<辺野古違法確認訴訟>国と沖縄県、議論かみ合わず

沖縄タイムス 9/16(金) 8:35配信

 名護市辺野古の新基地建設を巡る違法確認訴訟の判決では国と地方の関係をどのようにとらえるかも、主要争点の一つだ。1999年に地方自治法が改正されてから、国が都道府県に移譲した事務(法定受託事務)に関する処分を巡って国と県が適法性を争い、判決として示されるのは初めて。福岡高裁那覇支部は1月の和解勧告で、対立が続く状況を「地方自治法改正の精神に反する」と指摘しており、国と地方を「対等・協力」の関係に位置づけた法の精神を判決内容にどう反映するか、注目が集まる。

 国の権限を都道府県に移譲することなどで、地方の活力を引き出す「地方分権改革」の流れを受け、地方自治法は1999年に改正された。国と地方の関係は「上下・服従」から「対等・協力」に位置付けが変わり、地方が担う事務への国の関与は「法律の根拠」に基づき「必要最小限」で、かつ地方の「自主性及び自立性に配慮」することが明記されている。

 こうした変化を踏まえ、翁長雄志知事は違法確認訴訟で、国の訴訟提起が拙速だと繰り返し指摘した。

 8月19日の弁論では「和解条項で『協議と提訴は並行して』とある。地方自治の対等・平等を踏まえ話し合わねば解決しない、ということがベースにあったと考える」と強調。対等の関係にある両者が、名護市辺野古の新基地建設問題に関する協議を深めるべきだと訴えた。

 県側の代理人は「国の政策に地方自治体が従わないことを理由に、是正の指示を出すのは地方自治法上、許されない」とも主張している。

 一方、国側は同じ弁論で(1)3月の知事-防衛相会談(2)4月と7月に開かれた和解条項に基づく作業部会(3)7月の普天間負担軽減推進会議-などの機会を指摘。県との協議が十分に尽くされているとの認識を、裁判所に強調した。

 さらに菅義偉官房長官が協議を継続する意向を示したことを知事に認めさせ、地方との関係や協議を軽視しているわけではないとの印象づけを狙った。

 高裁那覇支部は和解勧告で国と地方の関係を「それぞれ独立の行政主体として役割を分担し、対等・協力の関係となることが期待されている」と指摘しており、判決内容でも地方自治に関する言及が予想される。

■「国家存立事務」認識に差

 地方自治法は、国が担うべき事務の一つとして「国際社会における国家としての存立にかかわる事務」(1条の二)を挙げる。この条項は一般的に「外交・安全保障は国の専管事項」とされる根拠となっている。

 国は昨年、代執行訴訟の訴状で「国防や外交に関する国政にとって極めて重大な事項の適否を審査したり、判断する権限は(知事に)ない」と指摘。名護市辺野古への新基地建設が「国家存立事務」であるとの前提に立ち、翁長雄志知事は建設の是非を言及する立場にないとの考えを示した。

 ただ、知事は普天間飛行場の移設先を具体的に指定したわけではなく、県幹部は「辺野古に造らないでほしいと主張しているだけ。地方は国の決定に無条件で従えと言うのか」と反発を強めた。違法確認訴訟で国は、高圧的な表現は避け「埋め立て承認に瑕疵(かし)はない。知事は取り消す権利がないのに取り消したから、法令に違反する」との指摘や「辺野古移設が実現しなければ日米間の外交、防衛上で著しい不利益が生じる」などの主張を展開している。

 知事は8月5日の弁論で、承認取り消しを「公有水面埋立法で知事に与えられた権限を正しく行使したもので、是正指示を受けるいわれはない」と指摘し、反論している。

最終更新:9/16(金) 8:35

沖縄タイムス