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児童減少…「平小荒馬」守りたい/外ケ浜町の小学校が奮闘

Web東奥 9月16日(金)11時36分配信

 青森県外ケ浜町の平舘小学校は、100年以上前から旧平舘村野田地区に伝わる荒馬(あらうま)踊りの継承に取り組む。今や「平小荒馬(ひらしょうあらうま)」として地域に定着している。ところが今春、踊り手の中心だった6年生が大勢卒業したことで、従来通りの存続が難しくなった。やめるのは簡単。やれるだけやってみよう-。児童、保護者、教諭たちは一丸となり、地域の伝統を受け継ごうと奮闘している。
 3日午前、同町平舘の商店前。集まった住民約20人が見つめる先には法被姿の児童たちがいた。「そーれ!」。太鼓と笛の囃子(はやし)に乗り、男女ペア4組が威勢よく舞う。馬の衣装には同校の校章。児童の表情は誇らしげだ。観客たちは手拍子をとって踊りを楽しむ。「拍手をもらえるのがうれしい。一生懸命練習してきました」と話すのは、3年の木村孔太郎君だ。
 平小荒馬は、恒例の校外行事「松前街道を歩こう」で地区内を5.5キロ練り歩きながら、地点ごとに披露されてきた。高齢化や人口減少が進む中、平小荒馬は静かな地域に明るさを呼び込む。木村さつえさん(65)は「子どもたちが踊る荒馬が何よりの励みになる」と話す。
 平小荒馬の原形は、100年以上前から旧平舘村野田地区に伝わる「荒馬踊り」。戦争などで一時途絶えるも、1978年に復活。担い手不足で95年からは同小が子ども用に形を変えながら継承してきた。6年生の高学年の男女が踊り手を、5、6年生が囃子を担当する。
 だが、今春、6年生が10人以上卒業。全校児童数は41人から30人に減った。しかも新6年生が3人と、複数ペアを組むことが難しい状況に陥った。学校側は一時、取りやめることも考えたが「やめてしまうのは簡単だけれど、一度、なくなったものを復活させることほど難しい。まずはやってみよう」と続行を決断。踊り手や囃子に低学年も加え、全校で荒馬の練習に励んだ。さらに当日は、PTAが休憩所で麦茶や塩ジャガイモ、まんじゅうを用意して見守った。
 木村暢達会長(49)は「学校再編の話もある中、地域の大切な行事として残したい」と話す。
 新たな態勢で試みた平小荒馬は無事に終わった。6年の相馬百花さんは「みんなでやり遂げられたことがうれしい」と満足げだ。一方で、不安が全てなくなったわけではない。それでも佐藤新弥校長は「今の平舘小にできることを模索し、精いっぱいやることで子どもたちや地域の笑顔を増やしていきたい」と話していた。

東奥日報社

最終更新:9月16日(金)11時36分

Web東奥