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トゥスクEU大統領、加盟国に問題直視促す 首脳会議控え

BBC News 9月16日(金)16時16分配信

16日にスロバキアのブラチスラバで開かれる欧州連合(EU)の首脳会議(サミット)を前に、ドナルド・トゥスク大統領は15日、英国の離脱などEUが抱える問題に「冷静かつ残酷なほど正直に」向き合うべきだと述べた。

英国が欠席する今回の首脳会議では、EUへの信頼をどのように回復するかなどが話し合われる見通し。英国を除く27カ国の共同体としての将来を検討する。

関係筋によると、トゥスク大統領は移民問題を最重要課題だと考えている。

英国との離脱交渉は議題に上がっていないが、ブレグジット(英国のEU離脱)が主要会議に影を落とすのほぼ間違いないとみられる。

サミットを前にトゥスク大統領は文書で、欧州が近年、「あらゆる危機に見舞われた」のは事実だとし、問題などないかのようなふりをするのは間違っていると述べた。同大統領は、「ブラチスラバ会議にとって最善のモットーは、危機をむだにしない、だろう」と述べ、EUが「ブレグジットを招いた理由について現実的な診断」を下すべきだと指摘した。

トゥスク氏はさらに、EU首脳が「ブレグジットから教訓を学んでおり」、「安定と安心を取り戻せる」と国民を納得させるよう訴えた。

しかし、EU加盟国間では、景気浮揚策や単一通貨ユーロ圏の強化、欧州の安全保障維持や移民の流入への対応について意見が分かれている。

首脳会議のホスト役を務めるスロバキアのロベルト・フィツォ首相は、移民受け入れを加盟国間で配分するクオータ制に反対する中欧・東欧諸国の首脳の一人。フィツォ首相は、スロバキアには「イスラム教徒の移民を一人たりとも」受け入れないと表明しており、クオータ制撤回を求めて提訴している。

ルクセンブルクのジャン・アッセルボルン外相は13日、ハンガリーのEU加盟を一時停止するか取り消すべきだと語った。同外相は、ハンガリーが、政府の難民の扱いに関するEUの基本的価値観に「大きく違反」したとしている。

一方、イスラム過激主義者の攻撃事件が相次いだフランスにとっては、優先事項は国境管理の強化だ。

フランスとドイツは欧州各国の軍事的連携の深化について基本的な計画を打ち出しており、欧州委員会のジャン・クロード・ユンケル委員長も、14日に欧州議会で行った施政方針演説で、欧州に軍の総司令部を設立することを訴えた。

防衛協力については、北大西洋条約機構(NATO)と重複すると反対姿勢だった英国がEUを離脱することで、最も大きな障害のひとつが取り除かれた格好だ。

しかし、フランスのフランソワ・オランド大統領は、英国がEU離脱を国民投票で決めたことで、EUの存続を脅かす危機が生じたと指摘した。同大統領は15日にパリでドイツのアンゲラ・メルケル首相と会談した後、英離脱について、「これは単なる危機のひとつではない、存続の危機かもしれない」と述べた。

来年3月にローマで開かれる首脳会議では、EUの基本条約のひとつであるローマ条約の60周年を祝う予定で、ブラチスラバ会議は、3月に向け作成が進むEUの「行程表」を検討する一連の「信頼醸成」会合のひとつになる。

(英語記事 Bratislava EU meeting: Bloc needs 'sober look at problems' says Tusk)

(c) BBC News

最終更新:9月16日(金)16時16分

BBC News