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航空機エンジン用炭化ケイ素繊維、生産能力10倍に NGS、富山に新工場竣工

Aviation Wire 9月17日(土)17時52分配信

 航空機用エンジン部材などに使用される「炭化ケイ素(SiC)連続繊維」を開発するNGSアドバンストファイバー(富山市)は9月16日、同社敷地内に第2工場を竣工した。新工場は年内に試運転を開始。操業により、生産能力を10倍に増強する。

◆SiC繊維をテープ状のセラミックに加工

 NGSが開発するSiC繊維「ニカロン」は、CFMインターナショナル製エンジン「LEAP」や、米GEアビエーション製「GE9X」などに採用された素材で、NGSは繊維状のものを供給する。供給先では、ニカロンをテープ状のセラミックマトリックス複合材(CMC)に加工。現在はLEAP用として、エンジン後部に設置する「シュラウド」と呼ばれるパーツに使用する。今後、GE9Xのコンバスターとノズル、回転ブレードなどにも採用する。

 CMCは引っ張る力に強く、強度は金属の2倍で重さは3分の1。耐熱は1300度までで、導入により2%の燃費向上が見込めるという。航空機用エンジンのほか、ガスタービンの高温部品などにも使用する。

◆工場増設で生産能力10倍に

 第2工場は、第1工場と同じ敷地内に設置。SiC繊維を焼き込む炉や生産ラインを現状の2台から6台増強し、8台体制で運用する。新工場の操業により、生産能力を現状の年間1トンから10トンに引き上げる。

 年内の試運転を経て、2017年7月以降の本格生産開始を見込む。従業員は現状の56人から、100人規模に拡充する。投資額は60億円。

 同日に開催した竣工式にはNGSの武田道夫社長のほか、日本カーボン(5302)の伊東郁夫社長、GEアビエーションのサンジェイ・コレア副社長、仏サフラン・セラミックのマーク・モントドン最高執行責任者(COO)の株主3社の代表や、富山県の石井隆一(たかかず)知事が参加した。

 NGSの武田社長は「製品を使用したエンジン(LEAP-1A)を搭載した機体(エアバスA320neo)が、トルコとマレーシアの航空会社に納入された」とトルコLCCのペガサス航空(PGT/PC)とエアアジア(AXM/AK)の導入事例を挙げ、供給力を強化する姿勢を示した。

 NGSアドバンストファイバーは2012年4月設立。株主は50%を出資する日本カーボン(N)と、25%ずつを出資するGE(G)とサフラン(S)の3社で、それぞれの頭文字を社名に配した。

 LEAPシリーズは単通路旅客機向け次世代エンジン。製造するCFMインターナショナルは、GEアビエーションとサフラン傘下のスネクマによる合弁会社で、A320neoファミリー向けのLEAP-1Aのほか、ボーイング737 MAXに独占供給するLEAP-1B、中国COMAC C919に独占供給するLEAP-1Cの3モデルがある。

 GE9Xは777の後継機「777X」が採用している。

Yusuke KOHASE

最終更新:9月17日(土)17時53分

Aviation Wire