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名古屋を走った鉄道と街の変化を写した写真集 栄の丸善で写真展 /愛知

みんなの経済新聞ネットワーク 9月17日(土)13時30分配信

 栄の丸善名古屋本店(名古屋市中区栄3)6階イベントスペースで現在、発売中の書籍「汽車・電車・市電 昭和の名古屋 鉄道風景」(トンボ出版)の写真展が開催されている。(サカエ経済新聞)

 同書は昭和40~50年代に名古屋を走った鉄道の変遷や、変化する街の風景を豊富な写真で紹介した写真集。汽車から電車への移行、市電の盛衰など、ダイナミックに変化していく名古屋の街の記録が、車両や路線などの丁寧な解説とともに掲載されている。

 著者の服部重敬さんは名古屋市在住の都市交通研究家。鉄道会社に勤める傍ら、鉄道写真や交通に関する書籍などを発表。2014年に定年を迎えた後も、鉄道資料の保存を進めるNPO法人「名古屋レール・アーカイブス」、地域公共交通総合研究所など、精力的な活動を行っている。同書には服部さんがカメラを始めた高校生のころから社会人になるまで撮り続けた鉄道写真から選んだ530点を収めている。

 9月4日には同イベントスペースで、丸善ゼミナール「「汽車・電車・市電 昭和の名古屋 鉄道風景」を開催。服部さんが展示している写真パネルや同書を基に、昭和時代の多彩で輝いていた鉄道の魅力と懐かしい街の風景を紹介した。

 服部さんは「僕が鉄道の写真を撮り始めたころは、まだ蒸気機関車が走っていた。街を市電が走り、名鉄のパノラマカー、近鉄のビスタカーなどの名車が歴史を刻んだ昭和40~50年代は、鉄道に大きな転換点が次々に訪れ、風景も大きく変わった時代。この時代をまとめた記録を残したいと思い、還暦を超えた節目に写真集を構想した。古いネガフィルムの保存が厳しい状況になってきていることもあり、書籍の形でしっかり残すことができて良かった」と出版の経緯を話す。

 車両ばかりではなく、1970(昭和45)年当時の約4分の3に当たる市内119カ所の市電停留所の風景や、高所や上空から撮った駅や街の写真などを掲載しているのも同書の特徴。「街の人々にとって鉄道がより身近だった時代の記録になるような写真を多く掲載している。1人で撮ったものなので限界はあるが、当時を知る人には懐かしく感じる風景がたくさんあるはず。鉄道愛好者が地域に根付いた鉄道の移り変わりを撮った記録として楽しんでいただけたら」と話す。

 最後に服部さんは、名古屋レール・アーカイブスの活動や、名古屋市が栄地区活性化のために市電復活を検討していることなどを紹介。「海外の街づくりを見ると、人が歩きやすいかどうかを大切にしている。線路の行き先が見える路面電車は、視覚的にも外から訪れた人でも利用しやすく、名古屋を活性化できる力を秘めている」と話し、平成時代の鉄道が作る風景への期待を語った。来場者からは、かつての鉄道施設の痕跡について質問が出され、服部さんはいくつかの場所を丁寧に紹介した。

 仕様はB5判、208ページ。価格は2,808円。問い合わせはトンボ出版(TEL 06-6944-2753)。

 写真展は今月30日まで。

みんなの経済新聞ネットワーク

最終更新:9月17日(土)13時30分

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