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「貧困たたき」する前に…相対的貧困の意味、知っていますか?

withnews 9月20日(火)7時0分配信

 8月18日にNHKで放送されたニュースが「貧困たたき」を生む事態になりました。一連の出来事について、まず冷静に考えなければならないのは、ネットに流れる断片情報だけで女子生徒と家族の暮らしぶりを判断することはできないということです。また未成年である女子生徒の個人情報をネット上にさらして中傷する行為は人権侵害であり、絶対に許されない。それなのに、なぜ「貧困たたき」が起きてしまったのでしょうか?背景には「相対的貧困」への理解が進んでいないことがあるようです。

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「ぜいたくだ」「貧困ではない」

 番組は、ある県の「子どもの貧困」に関する会議で発言した女子生徒を取材した内容でした。ひとり親家庭で育ったこと、自宅アパートには冷房がないこと、パソコンが購入できないので練習のためキーボードだけを母に買ってもらったこと、などの生活状況が伝えられました。

 ところが放送後、ニュース映像に映った自室に高価な品があるなど批判の声があがりました。さらに女子生徒のものとされるツイッターの過去の投稿から、1000円以上のランチを時に食べたり、コンサートに行ったりしていたことがわかったとして、「ぜいたくだ」「貧困ではない」などの書き込みがネット上にあふれる事態となりました。

新宿で貧困たたきに抗議するデモも

 こうした動きに対して反論も次々と出ています。東京・新宿では先月27日、最低賃金引き上げなどを訴える若者らのグループが、「生活苦しいヤツは声をあげろ 貧困叩きに抗議する新宿緊急デモ」を実施、女子生徒に「あなたは間違っていない」と呼びかけました。

 このバッシングの爆発的な広がりは、「あってはならない貧困状態とは何なのか」という点で、社会の意識になお深い溝があることを浮き彫りにしました。

 貧困の概念、とらえ方は一つではありません。おおざっぱに言うと、一つは生存に必要な食費などからギリギリの水準を計算する「絶対的貧困」。もう一つは、その社会で普通とされる生活様式ができなくなる状況に注目する「相対的貧困」という考え方があります。

 いま日本を含む先進国では「相対的貧困」の考え方が基本になっています。相対的貧困の理解の仕方が今回の問題の焦点になります。

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最終更新:9月20日(火)7時0分

withnews