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函南の温泉宿「オヤジの名言」がリピーターに人気 宿の名物を「空間」に演出 /静岡

みんなの経済新聞ネットワーク 9月17日(土)18時6分配信

 函南・畑毛(はたけ)温泉にある旅館「富士見館」(函南町畑毛)の装飾が、リピーターを中心に人気を集めている。(伊豆経済新聞)

 同館は1910(明治43)年開業の、現在同温泉場で営業している旅館では最も歴史をもつ施設。弱アルカリ性の単純泉は「長生きの湯」と名付けられ、古くから湯治客を中心に利用され、全国から多くの来客がある。

 人気を集めている装飾は、同館の3代目館長の高橋松璋(まつあき)さんの写真に、松璋さんの「名言」を添えたもの。1930(昭和5)年生まれの松璋さんは、同館を切り盛りする「名物オヤジ」として、来館者から人気があったという。松璋さんのストレートに相手の心に突き刺さる言葉は、多くのファンを作り、地元の僧侶たちも松璋さんのアドバイスを求めて訪れるほどだったという。松璋さんは2014年に84歳で亡くなったが、今でも松璋さんを慕って足しげく通うリピーターが多くいるという。

 制作は松璋さんの家族によるもので制作者の1人は「家族たちが聞いた言葉や、来館者から多く聞くことがきっかけ。同館の名物といえば、松璋さんと温泉の質。旅館の名物を残すため、館内の空間を利用した」と話す。

 松璋さんの名言を集めて館内に貼った「名言集」は現在では館内に数え切れないほどに。「人を当てにするな!まずは自分で努力しなさい」や「何事も過ぎるじゃない、丁度(ちょうど)いいで止めなさい」などのメッセージは、利用客を激励し、エールを送るものが多い。

 制作者は「旅館に訪れる人や家族に、時には厳しく言うこともあり、中には疎ましく思う人も。しかし、その性格が好きで訪れる人も多かった。松璋さんの言葉は小手先のテクニックでなく、気持ちに訴えるものが多かった。行き詰まったときや悩んでいるときに、そんな松璋さんの言葉を思い出し、自身の指針となった」と話す。

 松璋さんの名言はまだまだ多くあり「引き出しの多かった人。今表示されているのはほんの一部だ」(制作者)と話し、今後の展開も期待できる。

 「大資本や大手の施設と異なり、小規模の施設は人の魅力によるところが大きい。しかし、内部の人にとってそれは当たり前に見えてしまうことも。ときには時には自身の魅力を客観的に見ることも大事だ」とも。

みんなの経済新聞ネットワーク

最終更新:9月18日(日)8時22分

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