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隠される保育事故「裁判しても意味がない」 親たちが署名に走る理由

withnews 9/21(水) 7:00配信

 万が一、保育事故が起きてしまったら――。原因についての調査や、再発防止に向けた取り組みが進むと思うのではないでしょうか。ところが、実際には多くの遺族が「何が起きたのか」を十分に知らされることがないまま、苦しみ続けてきました。何があったかを明らかにし、再発防止のための策を進めたい。そんな思いで、遺族たちが署名活動に取り組んでいます。(朝日新聞社会部記者・仲村和代)

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「被害者が完全に置いてきぼり」

 8月下旬、東京・上野。保育事故で子どもを亡くした親たちで作る「赤ちゃんの急死を考える会」のメンバーが、街頭に立ちました。

 「保育事故をなくすために、署名へのご協力をお願いします」

 署名を呼びかけていた須田博美さん(40)は2010年9月、横須賀市が認定した「保育ママ」に預けていた4カ月の長男を亡くしました。ミルクを気管に詰まらせたことによる窒息死。事件性はないとされました。
 事故後、須田さんをさらに苦しめたのが、「何が起きたのか」について、納得のいく説明がされなかったこと。警察や行政の調査も、期待していたような内容ではなく、「被害者が完全に置いてきぼり」と感じました。真相を知りたいと14年、市と保育ママを相手取り、民事訴訟を起こします。

 「なぜ、息子がこんな状態に置かれたのか。なぜ、見ていてくれなかったのか。環境を明らかにすることで見えてくることがあるはず。少しでも知りたくて、裁判せざるを得なくなった」

裁判起こしてもたどりつけない現実

 そんな思いで始めた裁判でしたが、最近は「あまり意味がない」と感じているそうです。相手側が情報を開示する気がない限り、知りたかった事実にはたどり着けないからです。

 「赤ちゃんの急死を考える会」には、同じように、真相を知りたいという思いすらかなえられず、苦しむ遺族たちがいます。

 真相究明と再発防止に向けた取り組みのためには、何が必要か。議論を重ね、取り組み始めたのが、「認可外保育施設も、日本スポーツ振興センターの無過失保険に加入できるようにすること」を求める署名活動です。

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最終更新:9/21(水) 7:00

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北朝鮮からの脱出
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