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「WAR」では算出できない レ軍オルティスの“MVP級”貢献度

夕刊フジ 9月17日(土)16時56分配信

 【ダッグアウトの裏側】すべてを数字で評価できるのか。サラリーマンの査定の話ではない。残り20試合を切った米大リーグのレギュラーシーズン。ア・リーグMVPは数字に表れない部分の評価が選考に大きく影響しそうだ。

 近年の大リーグでは選手の総合評価を示す指標として「WAR」が用いられる。もちろん「戦争」ではなく「Wins Above Replacement」(代替選手より何勝上積みされるか)の略語。この基準に照らし合わせることで、野手と投手を同一に比較できるようになった。MVPを選ぶ際のデータとしては最も参考になるといわれている。

 WARの算出方法は複雑で複数存在するが、13日付の米サイト「Baseball Reference」によれば、トップはエンゼルスのマイク・トラウト外野手で「9・4(勝)」。2位はレッドソックスのムーキー・ベッツ外野手の「8・2」、3位はアストロズのホセ・アルトゥーベ内野手の「7・2」と続く。

 ところが交流のある複数の米記者にMVP候補を尋ねると、3選手以外の名前があがった。開幕前に今季限りでの引退を表明したレ軍の主砲、デービッド・オルティス内野手(40)だ。「とても最後のシーズンとは思えない活躍で、チーム全体に好影響を及ぼしている。ひと昔前なら確実に受賞している」とレ軍担当のベテラン記者もMVPに推している。

 今季は14日現在で打率・316、33本塁打、111打点。長打率、二塁打数でリーグ1位だが大半がDHで守備や走塁での貢献度がないため、WARは「4・5」とトラウトらに遠く及ばない。

 それでもMVPにあげられるのは、数字では表せない勝負強さやリーダーシップが際立っているからだろう。11月で41歳のオルティスがMVPに輝けば、2004年のバリー・ボンズ(ジャイアンツ)を抜き北米4大プロスポーツの最年長記録を更新。最後のシーズンに新たな勲章が加わる。

 ■田代学(たしろ・まなぶ) サンケイスポーツ一般スポーツ担当部長。1991年入社。プロ野球や五輪担当などを経て、2001年から13年11月まで米国駐在の大リーグ担当キャップ。全米野球記者協会の理事や、13年ワールドシリーズの公式記録員を日本人記者で初めて務めた。米国での愛称は「ガク」。

最終更新:9月17日(土)16時56分

夕刊フジ