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なぜドット絵をやめたのか!? 『V!勇者のくせになまいきだR』プレス向けタイトル説明会リポートPart.2【TGS 2016】

ファミ通.com 9/17(土) 5:42配信

文・取材:編集部 ふじのっち

●お待たせしました! 『Vなま』説明会の詳細です!!
 2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の
東京ゲームショウ 2016(15日・16日はビジネスデイ)。既報の通り、9月16日(金)には、ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアから2017年発売予定のプレイステーション VR専用ソフト『V!勇者のくせになまいきだR』(以下、『Vなま』)のプレス向けタイトル説明会が行われた(記事はコチラ)。今回は、説明会の詳報をお届けしよう。

 と、非常にわかりやすいパワポの説明で、本作が開発された経緯が明らかに。ちなみにこのサウンドノベル風パワポ(笑)には続きがあって、SIE JAPANスタジオ プレジデントの吉田修平氏と、SVPのアラン・ベッカー氏にもプレイしてもらい、お墨付きをもらったことで正式に企画がスタートしたとのことだ。

●いよいよタイトルプレゼン!
 続いて本作のシステムなどがパワポでプレゼンテーションされた。これも非常にわかりやすく、しかも『勇なま』シリーズのファンが思わずニヤリとしてしまう要素が満載なので、写真でじっくりと見てもらおう。

 というわけで、パワポを使った非常にわかりやすい本作のゲーム概要の説明が終わり、いよいよ本作のデモプレイ。担当するのは、プロデューサーの鳥山氏だ。

 と思ったら、先ほど終わったと思ったパワポの続きが……。

 ちなみに鳥山氏の“なぜ『勇なま』に?”の答えは、「プロト版を遊んでみたらおもしろかったので、ぜひお手伝いしたいなと思って山本に声をかけたのが、終わりの始まりでした(苦笑)」とのこと。終わりの始まりって(笑)。

 今度こそ、鳥山氏のデモプレイがスタート。先ほどのパワポの説明にあった通り、“魔しずく”の近くに“ニジリゴケの巣”を置き、ニジリゴケが発生したら近くに“ガジガジムシの巣”を置き、さらに“トカゲおとこの巣”……と、順調に食物連鎖を発生させていた。さすがプロデューサー! そして、“しょうた”(最初に登場する、シリーズでおなじみの勇者)を瞬殺で仕留め(お約束なので当然)、そうこうしている間にも順調にトカゲおとことガジフライを増やしていき、敵の拠点に続いて、見事に敵の城を陥落させた。これまでのシリーズのシステムを継承しているものの、フィールドが地下から地上になったことで、イメージはガラリ一変。魔物や勇者が動いている様を見守るという点では同じなのだが、3Dで奥行きのあるフィールドのジオラマ感がハンパない! しかも、見えにくいところがあるときは、フィールドを90度単位で回転させられるなど、遊びやすいように設計されているのも好印象だった。

●魔王がしゃべった! それにもワケがあったんです
 プレイデモに続いて、『Vなま』を開発するうえで苦労した点や工夫した点、目指したかった点などを説明するコーナーへ。まずはゲームの舞台が2Dのダンジョンから3Dのフィールドになったことについての苦労話から。大橋ディレクターによると、3Dのフィールドに魔物や勇者を配置してAIで動かしてみたところ、「どこを見ていいのかわからないくらい、しっちゃかめっちゃかになってしまった」そうだ。そこで、解決策として考えたのが、「ボイスやエフェクトをうまく使って、ユーザーが能動的に“ああしたい、こうしたい”というのを順序立てて考えるような導線を作るというのがポイントなのかなと」(大橋氏)。ほかにも、キャラクターの影をなくすことで状況がわかりやすくするなど、“動くジオラマ”をVRで表現するための苦労は絶えなかったようだ。

 そして、本作がプレイステーション VRタイトルだからこそ避けられない“VR酔い”について。VR酔いの原因のひとつとして挙げられるのが、“フレームレートの低下”だ。しかし、そもそも『勇なま』というのは、数多くのキャラクターが同時に動くことを大前提としたゲームである。つまり、つねにフレームレートの低下が起こりうるというわけだ。それを解決するために取った手法は、「とにかく細かいところをチクチクといじった」(大橋氏)とのこと。


 そしていよいよ、多くのユーザーが関心を示しているであろう、“ドット絵からの脱却”の理由が明らかになった。なぜシリーズの特徴でもあったドット絵をやめたのか? 「これまでの『勇なま』で、ゲームが3Dに行っていた流れの中でドット絵という逆のことをやった以上は、PS4でPS VRというからには、3Dでちゃんとやるということが我々にとって“逆を行く”ということなので」(山本氏)という理由で、ドット絵からの脱却は早々に決めていたとのこと。また、大橋氏は、「目の前にテラリウムがあって、そこに生き物がいて、それをお世話するような感覚を出したかったのですが、ドット絵だとそれは無理だなという側面もあった」とのことだ。

 ドット絵と並んで、『勇なま』ユーザーが気にしている“魔王がしゃべる”ことについて。歴代シリーズの魔王といえば、エフェクトがかかったようなゴニョゴニョとしたしゃべり口調だったのに、本作では流暢な日本語でしゃべっているのだ。これにも明確な答えがあった。「VRというのは、横に長いテキストを読むというのに、とにかく適していないんですよ。最初はゴニョゴニョとしたセリフに対して同時通訳でしゃべらせようとしたのですが、これも違和感があったので、最終的には魔王にしゃべらせることにしました」(山本氏)。ちなみに、最初は大橋氏の声を仮で入れていたそうだが、最終的にはプロの声優さんにお願いしたそうだ。「プロはすごいなと。でも、僕の声も悪くなかったですよ(笑)」(大橋氏)。

 最後に、『Vなま』で目指したかった点について、大橋氏は“体験性とゲームルールの融合”を挙げていた。「シミュレーションゲームというのは、VRに落とし込みにくいと思うんですよ。でも、たとえば状況を説明してくれる魔王のポジションだったり、ボードゲーム然とした見せかただったりといった演出のしかたで、VRコンテンツとしてうまく落とし込めるんじゃないかなと思ったんです。VRに向かないからといって、これまで築き上げてきたゲームメカニクスを捨ててしまうのはもったいないので、今回こういう形でVRに挑んでおります」(大橋氏)。

 これに関連して山本氏が、過去にTwitterでVRに関するアンケートを行った際の回答を示してくれた。

 自分たちが作ろうとしている“大きくなって小さいモノを見る”VRゲームを遊びたいと答えた人のほうが圧倒的に少ないという結果が出てしまったが、それでも山本氏はめげなかった。「我々が作ろうとしている『Vなま』は、じつはニッチなところなのかもしれません。ですが、VRの可能性という部分でいうと、まだ誰にも気づかれていない“埋蔵金”がたくさん残っていると思うので、“まだ狙われていないところを狙う”という『勇なま』のIP(知的財産)にも符合しているなという、逆の励みにしてがんばります(笑)」(山本氏)。

 最後も『勇なま』らしさ満載な決意表明でメディア説明会が締めくくられたが、残り時間を使って質疑応答も行われたので、本記事の締めにダイジェストで掲載していこう。


Q:
「ゲームのいちばんキモになるところは?」
A:
「目の前に、我々が遊んできたようなRPGの世界が広がっている。その世界に入り込むのではなく、俯瞰して見るというのが、僕がいちばんやりたかったことですね」(大橋氏)

「VR空間の中でちゃんとしたゲームルールを遊ばせるというのは、まだ目立ったゲームはないと思うので、早く選別をつけるという意味でも、早く仕上げたいという強い意志はあります」(山本氏)

「体験型のVRタイトルがいちばん多いですが、その後にユーザーさんが求めるのは“しっかり遊べるVRゲーム”だと思いますので、これまでのノウハウやゲームのルールを、VRならではの表現で遊ばせたいというのが、このタイトルの狙いでもあります」(鳥山氏)

Q:
「いままで『勇なま』と略していましたが、本作はどうやって略すのがベストでしょうか?」
A:
「(Twitterの)ハッシュタグは“Vなま”としていますが、ユーザーさんからは“VなまR”のほうがいいんじゃないかという意見があって、それを見たとき、「あっ」って思いました(笑)。どこかで切り替えるかもしれません。タイトルは毎回悩むのですが、最初は7年ぶりなので、頭に“祝”とかつけていましたが、「祝かあ……」と(笑)。ゲームショウも近づいてきたので“V”と“R”ではさんじゃえとやってみたら、意外としっくりきたなと思います」(山本氏)

「最後の“R”って、“りたーん”なんですよね。僕、最初は“あーる”と読んでいたので、ボイス収録のときに思いっきり“あーる”と言ってしまって、お蔵入りになりました(笑)」(大橋氏)

Q:
「ゲームのボリュームはどのくらいになりますか?」
A:
「15~20くらいのステージを用意したいと思います。ただ、1ステージが20分かかると疲れてしまうので、短い中でいかにやり応えを作れるかというのをプランニングしています」(山本氏)

「『勇なま』シリーズは、くり返しプレイが非常に重要だと思うので、マップの構成をいろいろ考えてもらったりしています」(鳥山氏)

Q:
「高低差を活かしたゲームの楽しみかたは考えていますか?」
A:
「もちろんあります! 覗き込みたくなるような地形とかは、VRに向いているので、用意したいと思っています」(大橋氏)

Q:
「発表後のユーザーの反応や、遊ばれた方の感想は?」
A:
「毎日Twitterを見ていますが、「なぜドット絵を捨てた!」という声が非常に大きいですね(苦笑)。その一方で、「復活するんだ!」というのが、ここまでバズるとは思っていませんでした。遊ばれた方の感想ですが、最初は『勇なま』がVRとなってどうなるのかというイメージが沸かないという方が多かったですね。でも、実際にプレイしたら、「こういうことなんですね!」とご理解いただける。そういう意味では、予想外の体験感になっているのかなという自信にはなっています」(山本氏)

「スクリーンショットを見せるのと体験してもらうのではぜんぜん違うので、僕らはこのタイトルをどうやって体験してもらうかということを考えないといけないと思いますね」(鳥山氏)

Q:
「これまでにあった、魔方陣による特殊召喚などは?」
A:
「新しいキャラクターもいくつか出てきますし、魔方陣の出しかたも、旧作と違うようなルールで魔物を生み出すことを考えています。魔物とのインタラクションも、今回のデモでは巣を置くことしかできませんが、運べたりといった、もっとお世話ができるようにしたいなと思います」(大橋氏)

Q:
「マップに対して、プレイヤーが直接干渉することはできない?」
A:
「マップ全体に影響を与える“破壊神スキル”というのは、いくつか入れようと思っています」(山本氏)

Q:
「いまユーザーにTwitterで問いかけをするとしたら、どんなことを聞きたいですか?」
A:
「(2Dから3Dへのモデルチェンジという意味で)『FFVI』から『FFVII』になったときに、どう感じたかというのは聞いてみたいですね」(大橋氏)

「VR元年と言われていますが、VRというものを使って“見たい”のか、“遊びたい”のかを聞きたいですね」(山本氏)


V!勇者のくせになまいきだR
メーカー:ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア
対応機種:プレイステーション4
発売日:2017年発売予定
価格:未定
ジャンル:シミュレーション / リアルタイムストラテジー

最終更新:9/17(土) 14:43

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