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<パラ自転車>元F1レーサー 自転車で2個のメダル

毎日新聞 9月17日(土)2時1分配信

 1990年代に自動車のF1レーサーとして名をはせたイタリアのアレッサンドロ・ザナルディ(49)が自転車の男子ハンドサイクル(運動機能障害H5)で14日のタイムトライアル(20キロ)で金、15日のロードレース(60キロ)で銀のメダル2個を獲得した。

 ハンドサイクルは見た目は手こぎ三輪車でも、最高時速は70キロに達する。伝説のレーサー、故アイルトン・セナを生んだブラジルはF1の人気が高く、ザナルディへの沿道の声援はひときわ大きい。ロードレースがあった15日は、ザナルディの人生を変えたドイツでのカートレース事故からちょうど15年の節目だった。ピットストップからコースに出たところで、時速320キロで走ってきた別のマシンと衝突した。

 この事故で両脚を膝上で切断した後も、数年間は特別仕様のマシンでサーキットを駆けた。障害者スポーツの世界へとハンドルを切ったのは2007年。レース中の事故で脊髄(せきずい)を損傷したF1の先輩レーサー、クレイ・レガツォーニ(06年死去)がハンドサイクルに取り組む姿に感化されたという。

 ハンドサイクルではアクセルとハンドルの機能がペダルに集約される。ザナルディの両腕は筋肉が盛り上がり、年齢を感じさせない。初めてのパラリンピックだった前回ロンドン大会ではタイムトライアルとロードレースで金、リレーで銀の好スタートを切った。

 15年前を振り返ると、当時はレース界への復帰を考えるよりも、トイレで自力で用を足すことに必死だったという。ザナルディは「一日一日の積み重ねで体の機能と強さを取り戻していった。それが自信となり、今日の私がいる」と語った。【朴鐘珠】

最終更新:9月17日(土)2時58分

毎日新聞