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【BOX】山中の必殺パンチ生み出す秘密は瞬発力と「右足ブレーキ」

スポーツ報知 9月17日(土)6時5分配信

◆報知新聞社後援 プロボクシング「ワールドプレミアムボクシング」▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ○山中慎介(7回KO)アンセルモ・モレノ●(16日、エディオンアリーナ大阪) 

 WBC世界バンタム級王者・山中慎介(33)=帝拳=が、11度目の防衛に成功した。挑戦者の同級1位で元WBA世界同級スーパー王者のアンセルモ・モレノ(31)=パナマ=に7回1分9秒TKO勝ち。昨年9月のV9戦では2―1の僅差判定勝利だったが、3戦ぶりのKO勝利で完全決着をつけた。これで防衛回数は国内歴代2位タイに。山中の戦績は26勝(18KO)2分け、モレノは36勝(12KO)5敗1分けとなった。(観衆6500)

 激闘を制し、国内歴代2位タイの11度目の防衛を果たした山中。最大の武器は、この試合でも猛威をふるった“神の左”と形容される左ストレート。その強打を生み出す秘密は瞬発力と、意外にも「右足」のブレーキ力にあった。

 約6年前から山中を見るフィジカルトレーナーの中村正彦氏(42)は「100のパワーを出すのに例えば普通の選手が1秒かかるとしたら、山中は0・5秒で出せる。瞬間的に力を出すことに優れている」と話す。週1~2回行うフィジカルトレーニングでは、全力で真上に跳び、できるだけ地面との接地時間を少なくするメニューで、瞬発力を強化。一気に力を出せる分、パンチのモーションが小さくなり、相手は読みにくくなる。

 同トレーナーはさらに「左足より右足の力が強い」と指摘。片方の足で踏み切って跳ぶと、その差は数センチだが右足の方が遠くに跳ぶという。左のパンチを使うには蹴り足も左になるが、「アクセル(左足)が強くても、ブレーキ(右足)が弱かったら体が流れてしまう。ブレーキが重要」(同トレーナー)。蹴り足もさることながらパワーをためられる強い軸足があるからこそ、より真っすぐで強力な左ストレートが生まれると分析する。例えるなら「やり投げの選手のように」しっかりブレーキをかけられるという。

 元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏(61)が持つ13度防衛の日本記録まであと2つ。来月34歳を迎える山中だが、中村氏は「まだまだ(数値は)伸びている」と言う。長く続けられている要因に「けがが少ない。柔軟性にも優れているし、練習前に長くかけてウォーミングアップをしている。あれだけやるボクサーはなかなかいない」と衰えのなさを強調した。

最終更新:9月17日(土)12時20分

スポーツ報知