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アングル:鉄材からまつ毛まで、中朝貿易の最前線に変化あるか

ロイター 9月17日(土)9時35分配信

[丹東(中国) 12日 ロイター] - 中国遼寧省の丹東市にある国境検問所が12日、北朝鮮による5度目の核実験以来初めて業務を開始すると、れんがや排気管などあらゆるものを積んだトラックで溢れかえった。

北朝鮮の最も重要な同盟国である中国は、北朝鮮が過去最大規模の核実験を実施したことを非難しているが、孤立する隣国に対する追加的制裁措置については曖昧な態度をとっている。

中朝貿易の約4分の3が経由する丹東市では、9日に行われた核実験以降、国境検問所における日頃のチェックが厳しくなったと語るトラック運転手もいれば、通常通りと話す者もいる。

「あらゆる種類の物品や一般人向けの製品を運んでいる。商売は悪くない。私たちはとても忙しい」。車両用の排気管を輸送中の、Wangと名乗るトラック運転手はこう語った。

Wangさんは、鴨緑江に架かる「中朝友誼橋」を渡って北朝鮮に入ろうと待機している中国人トラック運転手たちの1人だ。北朝鮮の建国記念日(9日)とそれに続く週末が終わり、交通が再開した。

木枠や建設資材、鉄材、アルミニウム、天然ゴム、機械、れんが、さらには小さなブルドーザーなどを積んだトラックが、国境検問所の単一レーンで列を作っていた。

北朝鮮による核や弾道ミサイル開発計画を阻止しようと国連が科す厳しい制裁措置には賛同してきた中国だが、貿易を完全に遮断することについては、北朝鮮の一般国民を巻き込み、ひいては国の崩壊につながりかねないとして慎重姿勢を保っていた。

54歳の運転手、Ying Renさんは、丹東の国境を越えるあらゆる物が検査されていると話す。

「あらゆることについて調べられる。ビール2本があるかさえ、彼らは見分けることができる。ビールを持っていること自体は気にしていないが、持っていることを把握している」とYingさんは話す。

「制裁が実施されてから、化学薬品などは、核爆弾に使われるかもしれないとの理由で持ち出すことが禁じられた」

<制裁対象の物品>

国連の制裁は現在、ぜいたく品及び、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画に使われかねない材料を対象としている。また、それは計画資金となるハードカレンシー(国際決済通貨)に対する北朝鮮のアクセスを制限することも目的としている。

同じWang姓を名乗る別の運転手は、直近の核実験以降、国境検査により時間がかかるようになったようだと指摘する。

「今年の制裁開始から、検査が本当に強化された」とWangさんは今年1月に行われた4回目となる核実験後に決まった新たな制裁について言及する。

「今ではトラックに荷積みする際に加え、税関通過時にも検査される。渡されたリストで、彼らが積載物のすべてを把握していることが分かる。しかし一般人向け物品の貿易はいつまでも続くだろう。そうではないのか。北朝鮮の難民が中国に押し寄せて来て欲しくない」

英国とフランス両国の支援を得た韓国と米国が、先週の核実験を受けた制裁強化を目指す一方、国連安全保障理事会において米国、英国、フランス同様に拒否権を持つ中国とロシアの態度はまだ不透明だ。

北朝鮮において、一般国民の生活水準をここ数年高めてきた経済発展の大半は、半法規的な国内の私的市場で販売される中国からの安い輸入品によってもたらされている。

西側諸国でさえも、こうした日常的な貿易を妨げる制裁を嫌がっている、とアナリストたちは指摘する。なぜなら、北朝鮮で台頭する消費者層がいずれ金正恩政権を弱体化させると期待しているからだ。

運転手のLiang Hengshunさんは、北朝鮮内に長くとどまりたくないと言う。「あそこは、かなり閉鎖された社会だ。電話を使うことが許されていないし、ラジオを聴くこともできない。トラックの中にある中国語の新聞といった、朝鮮語で書かれていないものは、すべて取り上げられてしまう」とLiangさんは言う。

密輸は今も大変日常的だと語るLiangさんだが、大半は制裁の網をかいくぐるというよりも、金目当てだと指摘する。「ツアーバスは、かつらやまつ毛のエクステンションなど、当局に捕まらないような小物を密輸入している」

「公式ルートでかつらを買う場合、1000人民元(約1万5200円)程度かかるが、闇市場ならたったの200元から300元だ。運転手も、金稼ぎになるので満足している」とLiangさんは語る。「そういった物は、自分たちの大型トラックでは密輸しない。ツアーバスに任せている」

(Sue-Lin Wong記者 翻訳:高橋浩祐 編集:下郡美紀)

最終更新:9月17日(土)9時35分

ロイター

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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