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山中、V11で日本歴代2位!神ってる左で4度倒した/BOX

サンケイスポーツ 9月17日(土)7時0分配信

 プロボクシング・WBCダブル世界タイトルマッチ(16日・エディオンアリーナ大阪)神の左でV11達成!! バンタム級王者の山中慎介(33)=帝拳=は、同級1位のアンセルモ・モレノ(31)=パナマ=に7回1分9秒でTKO勝ちした。モレノとの前回の対戦で空砲だった左ストレートが効果的に決まり、11度目の防衛を果たした。日本のジムに所属する選手の世界王座連続防衛回数で、長谷川穂積を抜き、2位の内山高志に並んだ。

 地元の関西で、山中の“神の左”がうなりをあげた。7回、左ストレートなどで通算3度目のダウンを奪うと、一気に勝負をかけた。ワンツーの連打でコーナーに追い詰め、渾身の左ストレートがモレノの顔面を打ち抜いた。防御に優れ、KO負けのないため、“亡霊”ともいわれる相手をリングに沈めた。4度のダウンを奪って、V11を達成した。

 「左がきれいに当たった。モレノがきれいに倒れたのを見て、残酷だけど気持ちよかった」

 4回に右フックで倒されたが、左拳への自信は揺るがなかった。6回にコーナー付近へ吹っ飛ばして尻もちをつかせ、7回に倒すとレフェリーストップ。これで、日本のジムに所属する選手の世界王座連続防衛回数で並んでいた長谷川穂積を抜いて2位タイになった。

 進化を証明した。1年前の対戦では、高い防御技術を駆使したモレノを相手に左ストレートは不発。空砲に終わった左で借りを返すKOでの完全決着。王者が喜びに浸った。互いに手の内を知る相手との再戦。モレノを丸裸にすることが最大の課題だった。

 6月末に試合が決まると、大和心トレーナー(41)がモレノの映像を毎日のようにチェック。左ストレートをヒットさせる糸口を見つけた。左へ10センチほどステップして角度をつけて、がら空きの肩口から打ち込む。「これなら確実にヒットするし、ダメージを与えられる」と大和トレーナー。センチ単位の修正で攻防一体のスタイルが完成。絶対的な自信を持ってリングに立った。

 王座獲得から約5年、10月には34歳になる。さらなる飛躍のため、下半身の筋力を高め、その筋力を瞬間的に生かす神経系トレーニングに取り組み始めた。30秒間全力でジャンプを繰り返すというもの。「以前よりも滞空時間が長くなった。その分、床からの反力を拳に伝えられる」と中村正彦フィジカルトレーナー(42)。瞬発力を極限まで高めることで“神の左”の爆発力に磨きをかけている。

 頂上決戦を制し、元WBA世界Lフライ級王者の具志堅用高が持つ連続防衛13回の日本記録が視野に入ってきた。本田明彦会長(69)は「ボクシング人生が終わりに近づいてきた。いい相手とやらせたい」と近い将来に海外進出させる意向を示した。

 かつてはファイティング原田や辰吉丈一郎ら名だたるボクサーが君臨してきた階級で11度目の防衛を達成した。「“黄金のバンタム”を汚さないよう、価値を上げようと思ってここまで来られた」と山中。円熟期を迎えた王者は研ぎ澄まされた拳を武器に、大記録とビッグマッチを見据えた。

最終更新:9月17日(土)7時0分

サンケイスポーツ