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【ふるさとを語ろう】RIZAPグループ社長・瀬戸健さん

産経新聞 9月17日(土)7時55分配信

 ■仕事の原点は高校時代の彼女

 北九州市八幡西区の出身で実家はパン屋です。通っていた小学校が目の前にあり、徒歩“五歩”圏内。ガラスのショーケースに商品を並べる昔ながらの店舗でした。

 高校にも近く子供が集まってくるので、店内に20円で遊べるゲーム機を設置していました。焼きうどんやたこ焼きも、その場で食べられたのです。健康のことを考えて料理に使うケチャップやマヨネーズはもちろんのこと、洗剤も自家製でした。現在の店舗は今風に変わっています(笑い)。

 幼い頃からやんちゃで、小学校3、4年生の時には担任に呼び出されて「このままでは進級させないぞ」と言われたほどです。子供を決して甘やかさない家風で、両親から学校へ「厳しくしつけをしてくれ」との注文があり、頻繁に怒られていたようです。

 小・中学生の時は、おせっかい焼きな性格を生かし恋愛相談を得意としていました。カップルを成立させるお手伝いが好きで、中には結婚まで発展したケースもあります。一連の経験を踏まえ「このような話をすれば、こういった反応が返ってくる」というノウハウ的なものが蓄積されました。

 将来の目標みたいなものはまだなかったのですが、そんなこともあって唯一なりたかった職業が心理カウンセラーでした。

 高校は福岡県立北筑高校に進学します。当時はサッカーの強豪校として知られていましたが、「軍隊高校」と言われるほど厳しい学校でした。

 例えば1年次の歓迎遠足。皿倉山に登るのですが、そこで待っているのは校歌指導です。背中を大きく反って限界まで声を出すことを教えられました。運動会の練習は3カ月間にわたって行われ、実に2カ月が行進の練習に充てられます。当然ながら校則も厳しく、前髪が眉毛にかかったら駄目。茶髪かどうかを確認する際には、太陽の下に立たされていました。ロゴマークの入ったTシャツなどもご法度です。

 そんな中でも、無断で他のクラスで授業を受けるなど中学の時と同様、マイペースな高校生活を送っていました。しかし、学校からすれば規律の和を乱すやんちゃ者。学業の成績も400人中399番目と散々でしたが、仲間のおかげで楽しい日々を過ごしました。

 現在の仕事の原点は、高3の時に他校の学生から告白され付き合ったことからです。彼女は当時、身長152センチ、体重は70キロという、かなりふくよかな体形をしていました。ダイエットに励もうとする彼女に対し、私は毎日電話やメールでアドバイスしたり「すごく変わってきたよ」と励ますなど、現在のRIZAP(ライザップ)のトレーナーのような役割で寄り添いました。その結果、体重は40キロまで落ちて、地元でも評判のかわいい女性に変身したのです。これが、人は変われることを実感するきっかけになりました。

 ところが私が高校を卒業して働いているとき、1人暮らしをした彼女は大学生と付き合い始めたのです。それまでは大学なんて意識したこともありませんでしたが、悔しくて、「彼女を見返してやる」という一念で勉強にのめり込みました。3日徹夜して3時間寝てから再び勉強という期間もありました。

 その結果、30を少し超えた程度だった偏差値は60台になり、合格を果たしました。「やりきった」という達成感で一杯でした。

 現在の会社は「人は変われる、一生輝けることを証明したい」「世の中の人をイキイキ・ワクワクさせることで世界一を目指したい」という思いで設立しました。目的意識を明確にして限界まで追い込んだ大学受験の努力が、現在の自信につながっていると思います。(伊藤俊祐)

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【プロフィル】瀬戸健

 せと・たけし 福岡県立北筑高校、明治大商学部中退。平成15年健康コーポレーション(現RIZAPグループ)設立、現職。38歳。福岡県出身。

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 次回はインフォテリアの平野洋一郎社長が登場する予定です。

最終更新:9月17日(土)7時55分

産経新聞

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