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<リオ陸上>高田、静かな感激 女子走り幅跳び8位

毎日新聞 9月17日(土)11時37分配信

 ◇自己ベストの日本記録を更新

 【リオデジャネイロ飯山太郎】16日の陸上女子走り幅跳び(視覚障害T11)で、高田千明(31)=ほけんの窓口グループ=が自己ベストの日本記録を更新し、8位となった。ブラジル特有の大歓声に悩まされたが、観客の変化に、視覚障害者や障害者スポーツへの理解が少し進んだことを肌で感じた。

 1回目の試技で4メートル45を跳んで自己ベストを更新したが、2回目以降、場内の大音量のBGMや観客の歓声に悩まされた。

 視覚障害者の中で最重度の「T11」クラスは、アイマスクをつけた選手が「コーラー」と呼ばれるパートナーが発する声や手拍子などを頼りに跳ぶ。選手の助走時は静かにするのがマナーで、幅跳びのバックスタンド前の観客はプラカードの指示に従った。だが、他の場所はトラック種目に一喜一憂し、ウエーブも起きた。

 コーラー、大森盛一さん(44)の声が届かない。右や左にずれる助走の修正に時間を費やし、2回連続ファウルとなった。それでも終盤、場内の雰囲気が変わった。トラック種目が終わり、運営側がBGMの音量を下げ、観客も静まった。

 聴覚障害者の陸上選手である夫裕士さん(31)との二人三脚の競技生活で、話題を集めた高田。リオ本番は試技6回で3回ファウルした。「3本しか跳べなかった。もっと跳べたら、さらに自己記録を更新できていたかもしれない」と悔しがった。それでも「最後はお客さんも『シーッ』と言ってくれた」。コーラーの大森さんも「何回も助走をやり直す選手を見て、客席も分かってくれたのだと思う」。試行錯誤しながらも障害や障害者スポーツを理解した運営側や観客の「静けさ」の気遣いに、2人とも満足そうだった。

最終更新:9月17日(土)11時50分

毎日新聞