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首脳会合 EU、信頼回復へ行程表 移民・テロ対策など

産経新聞 9月17日(土)7時55分配信

 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)の英国を除く27加盟国は16日、スロバキアの首都ブラチスラバで非公式首脳会合を開いた。英国の離脱決定などEUが重大な危機に直面する中、市民の信頼回復に向けた優先課題への対処を示す「行程表」の取りまとめを目指す。移民やテロ、防衛、経済などの対策が議論の焦点で、27カ国としての結束を示したい考えだ。

 27カ国の会合は英国の国民投票後の6月下旬、28カ国の首脳会議の際に開かれて以来2度目。英国は正式な離脱通告を先送りしているが、移民危機やテロ頻発でEUへの不信は高まっている。「英国離脱の教訓」(トゥスクEU大統領)を迅速に示し、信頼回復への第一歩とする狙いだ。

 首脳らは会合で英国離脱決定を受けたEUの現状について評価作業を実施した上、今後数カ月で取り組むべき共通の優先課題などを協議。課題にはEU域外との国境防護の強化などの移民流入やテロ対策のほか、失業率の高い若者への対応などが上がる。

 仏独はEUの防衛協力の拡大も議論したい意向だ。EU最大規模の軍事力を持つ英国が抜ける影響を最小限に抑えるため、ユンケル欧州委員長もその必要性を強調。一方、域内の経済活性化のため、EUが進めている官民投資計画の規模倍増なども課題となる。

 首脳会合に向けてはメルケル独首相が東欧や北欧の首脳らと会談し、オランド仏大統領がギリシャなど南欧諸国と会合を持つなどして加盟国の意見を調整。トゥスク氏も全加盟国首脳と会い、準備を進めてきた。

 だが、ギリシャやイタリアが財政緊縮策の緩和を求め、東欧が移民受け入れへの反対を崩さないなど加盟国間の溝は依然大きいのが実情だ。首脳会合では、意見が割れる取り組みの議論は回避し、27カ国の結束を優先させる方向だ。

最終更新:9月17日(土)7時55分

産経新聞