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<豊洲市場>委員「盛り土前提、建物下の空洞認識せず」

毎日新聞 9月17日(土)15時1分配信

 ◇「技術会議」の委員「何のために会議を開いたのか」

 東京都の築地市場(中央区)からの移転が延期された豊洲市場(江東区)の主要建物下に盛り土がされていなかった問題で、2008年8月から14年11月まで土壌汚染対策の工法を検討した「技術会議」の委員は、建物下に空洞が設けられることを認識していなかった。委員を務めた根本祐二・東洋大教授らは毎日新聞の取材に、説明をしない都の姿勢を批判している。

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 都は、技術会議が開催されている間の09年7月~10年7月に盛り土をしないと決定したとみられる。都は技術会議に説明しなかったことを認めているが「建物下に空間が必要なことは技術者の常識」としている。

 土壌汚染対策を検討した「専門家会議」は08年7月、都に盛り土を提言した。技術会議はこれを踏まえて議論を進めた。根本教授は「盛り土をするという前提で議論していた。しないのであれば大丈夫かどうか再検討しなければならず、何のために会議を開いたのか分からない」と指摘した。

 さらに、自身の専門は公共インフラの老朽化対策などを検討する「公共政策」で、建物下に空間があることが常識だとは考えていなかったという。自分を含め、技術会議に参加した7人の委員に建築の専門家はいなかった。「情報が開示されなかったのは縦割り組織の弊害」と批判した。

 また、委員の一人で水位の制御・システム管理が専門の川田誠一・産業技術大学院大学長は「専門外の話は用語も分からないことがあった。専門家会議の提言通りに盛り土がされていると思っていたので驚いている」と語った。

 都は問題発覚後、技術会議に対して建物下に空洞があるのを伝えていなかったことを認めた。一方で「技術者なら、一定規模の建物下に配管や電気設備のための空間が設けられていることは分かっているはずと考えていた」と説明した。

 都中央卸売市場の担当者は「技術会議は盛り土の方法を議論してもらう場で、建物の設計については検討を求めていない。建物下を空洞にすることが認識されていなくても問題ない」と話した。【森健太郎】

最終更新:9月17日(土)15時1分

毎日新聞