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<元海軍兵士>「戦争で死ぬのは若者」語り部続ける決意

毎日新聞 9月17日(土)16時13分配信

 ◇大阪・東淀川の94歳、瀧本邦慶さん

 「戦争で死ぬのは老人でなく若者。これからも伝えなければならないことがある」--。戦争体験の語り部として講演に取り組んできた元海軍兵士、瀧本邦慶さん(94)=大阪市東淀川区=が、今後も活動を続けることを決めた。特定秘密保護法や安全保障関連法の成立の影響か、講演依頼を取り消す学校も現れたことで、やめるか悩んでいた。毎日新聞がそれを報じた後、激励や問い合わせが相次ぎ、「覚悟を決めた」という。

 瀧本さんは17歳で海軍に志願し、1941年12月の真珠湾攻撃に、攻撃機の整備兵として参加。翌年6月のミッドウェー海戦で敵機の攻撃で被弾し、44年2月に配属されたトラック島では飢えで死線をさまよった。

 戦争体験を伝えるため書いた手記が女性教諭の目に留まり、語り部を2006年に始めた。「生き残った者の責任」として、多い年は約30回講演した。

 ところが13年の特定秘密保護法に続き、昨年9月には集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法が成立。今年、講演を依頼された学校からキャンセルの連絡が突然あり、「事実も伝えられない世になりつつあるのか」と語り部をやめるべきか悩んでいた。

 そんな思いを毎日新聞が8月16日付朝刊で報道。翌日、面会の約束があった女性教諭に「続けてほしい」と言われ、心が揺らいだ。以前、講演を聴いた人たちからも「体に気をつけ、またお話ししてください」という励ましの声が寄せられ、気持ちを一新させた。新たに数件の依頼があり、12月には大阪府内の高校を訪れる。

 特定秘密保護法は指定情報の取り扱いを政府に委ね、成立から19日で1年がたつ安保関連法は自衛隊が海外で武力を行使できる道をつくった。瀧本さんは思う。「大げさでなく、『合法的』に語れるうちは、若者に戦争の真実を伝えなければ」

【平川哲也】

最終更新:9月17日(土)16時47分

毎日新聞

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