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関電「勝負」の値下げ 10月から家庭向け新プラン 収益より顧客つなぎ留め重視

産経新聞 9月17日(土)14時48分配信

 関西電力が10月1日から、「ボリュームゾーン」とされる平均的な使用量の家庭向けに電気料金の新プランを導入し、実質的な値下げに踏み切る。4月の電力小売り全面自由化以降、新規参入事業者「新電力」への顧客流出が止まらないことへの危機感が背景にある。ただ、小口の家庭が対象の新プランは収益改善に結びつかないとの指摘もある。原発再稼働が見通せず、経営環境が厳しい中での苦肉の策といえそうだ。(中山玲子)

 ■崩れたシナリオ

 「従来のプランでは、平均的な使用量の世帯にメリットが届きづらかった」

 7月27日、「eおとくプラン」と名付けられた家庭向け電気料金の新プランの発表会見で、関電の香川次朗副社長は導入の理由をこう説明した。

 新プランでは、1カ月の電気使用量が300~600キロワット時の世帯で料金が3・3%安くなる。一般的な月間平均使用量とされる300キロワット時をカバーしており、多くの利用者がメリットを感じられる内容になったとしている。

 関電は当初、高浜原発3、4号機(福井県)の再稼働を前提に5月に値下げを予定。再稼働によって軽減される火力発電の燃料費を値下げ原資に回すはずだった。ところが、3月9日に大津地裁が高浜3、4号機の運転差し止めを命じる仮処分決定を出し、シナリオが崩れた。

 それでも自由化後の厳しい競争に勝ち抜くには、ボリュームゾーンの家庭に割安感を持ってもらう新プランは不可欠。経費削減などの経営効率化で何とか原資を捻出したのが実態だ。

 ■主戦場は大口客

 関電の岩根茂樹社長は今月13日の会見で、「新料金プラン発表後、加入申し込みは順調に増えている」と手応えを語った。

 ただ、ある大手電力関係者は「平均的な家庭向けの電力販売だけでは、採算性ある十分な利益が出ない」と打ち明ける。電力会社にとって収益性が高いのは電気使用量の多い大口世帯だからだ。

 このため、4月の全面自由化に合わせて新電力各社は電気使用量の多い家庭をターゲットにした料金プランを提示し、関電の顧客を奪った。関電も同月、1カ月の電気使用量が600キロワット時以上の世帯を対象にした料金プラン「eスマート10」を導入して対抗した。

 家庭以上に大きな顧客が、工場や事務所で大量に電気を消費する企業。

 関電が7月29日に発表した平成28年4~6月期の販売電力量によると、前年同期比の減少分のうち、顧客流出などを要因とするものは家庭向けが1億キロワット時だったのに対し、企業向けは15億キロワット時に上った。

 顧客1件ごとにみれば、顧客企業を新電力に奪われることの方が、関電にとっては痛手が大きい。ボリュームゾーンの家庭向けと同時に、企業向けの販売戦略を練り直すことも急務になっている。

 10月13日には高浜3、4号機の仮処分をめぐる抗告審が大阪高裁で始まる。岩根社長は「顧客離脱への対抗策は原発再稼働による(抜本的な)値下げで、これが最大の戦略。それまでにできるサービスに全力を尽くしたい」と話す。

最終更新:9月17日(土)15時46分

産経新聞

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