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<小学英語>半数近く反対…教員、授業増を懸念

毎日新聞 9月17日(土)21時1分配信

 ◇20年度教科化…100人アンケート

 次期学習指導要領の改定に伴い、2020年度に英語が小学校高学年で正式教科になることについて、毎日新聞が高学年を担当する小学校教員100人にアンケートしたところ、半数近くが正式教科化に反対した。賛成は3割しかいなかった。慣れない授業や授業時間の増加で負担が増すことへの懸念や不安が浮き彫りになった。【まとめ・伊澤拓也、高木香奈】

 アンケートは8月下旬~9月上旬、47都道府県の男性49人、女性51人を対象にした。年齢は20代11人▽30代28人▽40代37人▽50代24人。

 英語の正式教科化には半数近い45人が「反対」と答えた。「賛成」は29人、「どちらでもない」は26人だった。

 反対理由で多かったのは教員の負担増だ。英語の教科化で授業時間が今より週1時間(45分)増えるが、他教科の授業時間が減るわけではない。東京都の30代女性は「毎日6時間授業をしている担任に新たな教科指導は負担が大きすぎる」と不安視し、兵庫県の30代男性は「授業時間の確保が難しくなるのは目に見えている。どこかにしわ寄せがいく」と他教科への影響を懸念した。三重県の40代男性は「他教科が特に減るわけでもなく、教員も児童も負担ばかりが増える」と答えた。

 成績評価への不安も垣間見える。長崎県の50代女性は「小学校教員の多くは発音などのスキル(技術)がないのに、評価は困難ではないか」、香川県の20代男性も「どのような観点で評価すればいいのか」と答えた。

 「外国語活動を楽しくできている。テストがなく評価がないため、肩の力を抜ける時間になっている」(福島県・40代女性)「楽しくという感覚から、勉強しなくてはならないという感覚に変わる」(滋賀県・30代男性)など、現行の外国語活動で十分との意見もあった。

 正式教科化を巡る文部科学省の方針にも反対や疑問が目立つ。

 3~6年生は授業時間が年間35時間増える一方、授業が減る教科はない。このため文科省は増加分を15分程度の分割授業や長期休みの活用で補うことを想定しているが、これには73人が「反対」と答え、「賛成」は10人だった。長崎県の50代男性は「分割授業は教育の質を問うていない印象。適当にやれと言わんばかりの発想だ」と厳しく批判した。

 また、英語を教える人材の養成のため、文科省は国の研修を受けた「英語教育推進リーダー」を増やし、リーダーから研修を受けた「中核教員」を全小学校に配置する計画。施策について「十分と思うか」を聞いたところ、59人が「思わない」で、「思う」は11人だった。

 文科省や教育委員会に望む施策は、専門教員や外国語指導助手(ALT)の配置が多かった。岩手県の50代女性は「ALTか英語専門の教員と2人態勢で授業をできればと願う」と訴えた。

 ◇研修カリキュラム普及を

 文部科学省が設置した英語教育のあり方についての有識者会議で座長を務めた上智大の吉田研作特任教授(応用言語学)は「小学校の外国語活動と、中学校の教科としての英語の違いに直面して英語嫌いになる子供が増える現状をみれば、学習のつながりを持たせやすい小学5、6年生の英語教科化は望ましい」と文科省の方針を評価。そのうえで、「相当の教員が懸念を持っているのはもっともで、教育態勢への不安が大きいのではないか。担任任せにせず、英語の専門知識を持った外部人材の協力を得ながら、教科としての英語を出発させることが重要だ。英語力を高め、教えるための知識を身に着ける教員研修のカリキュラムの普及も求められる」と話した。

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 ◇英語の正式教科化

 文部科学省が8月に示した次期学習指導要領改定に向けた審議のまとめによると、英語は歌などを通して楽しく学び、成績評価もない「外国語活動」(授業時間は週1時間)から小学校5、6年生で正式教科になる。授業は週2時間に増え、英語によるコミュニケーション能力の育成を図るとともに、中学英語へのスムーズな移行を促す。外国語活動は3、4年生に前倒しする。

最終更新:9月17日(土)23時38分

毎日新聞

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