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カド番優勝へGO!GO!豪栄道…“鬼の井村”魂を注入

スポーツ報知 9月18日(日)6時5分配信

◆大相撲秋場所7日目 ○豪栄道(上手出し投げ)隠岐の海●(17日・両国国技館)

 東大関・豪栄道(30)=境川=が、2008年の琴欧洲以来となる8人目のカド番優勝に前進した。東前頭筆頭・隠岐の海(31)=八角=との全勝対決に上手出し投げで完勝。2横綱3大関を撃破して“神ってる”同期生をねじ伏せ、横綱・大関陣の面目を保った。7日目に単独トップに立つのは自身初。4度目のカド番で臨んだ今場所は、無傷で折り返しの中日を迎える。

 帰りの車に乗り込む直前、豪栄道はにやりと笑った。「止めることができて良かった」。史上初の大記録がかかった隠岐の海の連勝をストップ。神懸かり的な強さを見せていた同期生に横綱、大関陣最後の砦(とりで)として立ちはだかった。「気合入っていたんで。負けられないと思っていきました」。支度部屋では興奮のせいか、普段より口数が増えた。

 2度目の立ち合いで低く鋭く飛び出し、一気に押し込んだ。土俵際で残されたが「慌てて出ると土俵際で、腰が柔らかいから逆転がある」。何度も逆転劇を演じた相手を冷静に分析。確実に右上手をつかんで上手出し投げで仕留め、見たか!と言わんばかりに土俵上で仁王立ちした。

 同郷の“鬼の井村”に魂を注入された。6月に同じ大阪出身の井村雅代ヘッドコーチ(HC、66)率いるリオ五輪シンクロナイズド・スイミングチームが部屋を訪れ、稽古を見学した。1選手に対し2、3人のトレーナーがつく代表チームに比べ、巡業中は力士約70人に対し1人。それを聞いた井村HCは「あんたら、めっちゃ恵まれとるんやで!」と絶叫した。

 その姿を見て、豪栄道は「女性でもあんなに厳しい中でやっているんだと思った」と目を見張った。夏巡業中には代表チームの演技を早起きして観戦。チームでは3大会ぶり、デュエットでは2大会ぶりの銅メダル獲得の復活劇を見届け、頂点を目指す上で必要な厳しさを改めて実感した。

 過去、カド番で優勝した大関は7人。そのうち小錦(タレント)と琴欧洲(現鳴戸親方)の2人が初優勝を決めている。八角理事長(元横綱・北勝海)は「気分は乗ってくるだろうね。8番勝った後、色気を出してもいいだろう」と快進撃に期待した。「まずあしたですね。先のこと考えると硬くなるので一日一番」。4度目のカド番脱出を目前にした豪栄道が、秋の両国の主役争いから一歩抜け出した。(秦 雄太郎)

最終更新:9月19日(月)3時46分

スポーツ報知