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1000円台の格安360度VRキット、何でも固定できる「壁美人」…「ギフト・ショー」で出合った日本のスグレモノ

産経新聞 9月17日(土)13時15分配信

 玩具から化粧品、衣料品、家具など暮らし全般の流行を発信する「東京インターナショナル・ギフト・ショー」(主催・ビジネスガイド社)は、雑貨にとどまらないさまざまなジャンルの商品が集まる大規模イベントだ。年に春と秋の2回開催され、82回目。会場となった国際展示場「東京ビッグサイト」(東京・有明)の東西両展示棟を埋める物量は、フォーカスを絞って回らないと圧倒される。テクノロジーという観点で次のはやりを探った。(原田成樹)

 スマートフォン用ゲーム「ポケモンGO」の大ヒットでまだまだスマホ環境でも十分遊べるじゃないかと考える向きもあるだろうが、今年は「VR(バーチャルリアリティー)元年」。台湾HTCや米オキュラスが、ゴーグルのように頭部に装着して映像が表示される「ヘッドマウントディスプレー」をすでに発売しているが、ソニーも10月13日に満を持して参画し、360度VRの業界標準争いを繰り広げる予定だ。

 9月7~9日に開かれたギフト・ショーでは、11月11日(予定)に廉価版VR「ハコトリップ」を店頭発売するライブエンタープライズ(東京都豊島区)のブースが人気を博していた。

 同社は体験雑貨メーカーを標榜し、「触(さわ)れる図鑑シリーズ」が好評。「水がつかめる!」という工作キットは地上波のニュース番組にも取り上げられた。廉価版VR「ハコトリップ」は文字通り、紙製の箱を顔に当て、VRの世界に没入する装置だ。手持ちのスマホを利用し、インターネットのサイトから動画を取り込むため、1200円(税別)の格安で流行を自分のものにできる。

 実際に恐竜体験とホラーストーリーのコンテンツを体感してみた。業界の自主規制で13歳以上に制限された2眼タイプは、右目と左目に視差のある映像が送られ、頭を動かすとそれに合わせて360度の方向に動く。ブース脇の通路で、恥ずかしさもあってあまり体をねじれなかったが、1回では全ての角度は見切れない。コンテンツ(各約2~4分)は「飛行・絶叫」「Xスポーツ」など全8チャンネル・80種類程度が提供される予定で、繰り返し楽しめそうだ。

 ■分子模型を作るように動物もパイプで

 おしゃれ雑貨が並ぶ一角で、アルミパイプをつなげて作られた“原子のサッカーボール”が目についた。加工された細いパイプを組み合わせることでさまざまな形をつくることができる「パイプグラム」という知育玩具だ。展示されていたものは、炭素原子60個でできたサッカーボール状の分子「フラーレンC60」をかたどったもの。フラーレンとは炭素原子が球状に結びついたもので、発見者の3人の化学者が1996年のノーベル化学賞を受賞した。わが家にも武骨な分子模型があるが、こうした分子模型を手軽に触って遊びながら「理科教育」ができないかと日々思っていたところだ。

 パイプグラムは、都内の中小製造業とデザイナーの協業を図るコンペティション「東京ビジネスデザインアワード」(主催・東京都)から誕生した。展示会に訪れていたデザイナーの小関隆一さんは「分子模型だけでなく、動物など幅広い分野での立体を作れます。将来、パイプグラムで創造性を育てて建築家になったなどという人が出てくるのが夢で、ゆっくり育てたい玩具です」と話す。

 結合を外したり、はめたりと組み立てて遊び、柔らかい樹脂製のジョイントで結合すると、ふわふわとした形の崩せる立体模型もできる。カエルやだるまなどの具体的な物体を創り上げるキットもある。

 メーカーは、自動車用の吸気パイプなどを加工する武州工業(東京都青梅市)。同社として初めて手がけるB2C(ビー・ツー・シー、一般消費者向けビジネス)商品だ。デザイナー、町工場とさまざまな人の夢を乗せた日本発の知育玩具が世界に出て行ってほしい。価格は、多面体などが手軽に作れる「MINI B(ブラック)」(アルミ製パイプ30本、樹脂製ジョイント・B(硬質)38個)が2981円(アマゾン)などとなっている。

 ■自転車、ギターも壁掛けでスッキリ

 インテリア関連のコーナーでは、何でもホチキスで石膏ボードの壁に固定できるという金具「壁美人」が多くの人の足を止めさせていた。金具と透明なポリカーボネートフィルムが一体化しており、180度開いたホチキスで針を打ちフィルムを壁に固定する。1針で支えられる荷重はせいぜい約500グラムだが、10針あれば5キロ、20針あれば10キロが支えられる計算になるという。

 こちらも、倉庫収納・保管ラックなどを手がける金属加工業の若林製作所(新潟県三条市)が、新規事業として約6年前に手がけたものだそうだ。ATZM(アトズム)社(東京都目黒区)のアイデアを元に1キロから24キロまでの金具を量産し、テレビ、自転車、ギター、サーフボード用などの専用金具も作っている。

 確かに、「ホッチキス」の名称で販売するマックス(東京都中央区)はくぎ打機のメーカーであり、大きさこそ違うが、金属の針で止める原理は同じだ。子供の頃、ホチキスの針を板に打ち込んで工作しているとき、指に刺さってとても痛かったことを思い出す。

 似たような専用の道具はあるが、若林製作所の担当者は「跡が残らず、誰でも簡単にできます」と説明する。針が刺さらない硬質石膏ボードなど例外もあるため、購入前に同社ホームページなどで確認が必要だが、一般的な家屋の石膏ボードの壁なら対応するという。

 価格は、32~52型テレビ用(耐荷重25・5キロ)が1万9800円(同社販売サイト)など。実際に自転車などもホチキスで止まっているのをみると、小さな魚たちが力を合わせて大きな魚に対抗する、オランダ出身の絵本作家、レオ・レオニ(1910~99年)の代表作「スイミー」を思い出した。

最終更新:9月17日(土)13時15分

産経新聞

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