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10・7の憂鬱 リオの凱旋パレードに「数億円」の疑問 いつまで続く五輪フィーバー

産経新聞 9月17日(土)14時45分配信

 リオ五輪とパラリンピックのメダリストらが集う合同パレードが10月7日、都心で行われることになった。五輪パレードとして初めて開催された2012年ロンドン五輪の凱旋は「ロンドンバス」に乗ったメダリストらが銀座の中央通りを移動し、約50万人の観衆でごった返した。今回はロンドンを超す史上最多の41個(金12、銀8、銅21)のメダルに加え、パラリンピックのメダリストも参加するため、約2倍の観衆が見込まれている。平日とはいえ、今回も「イモ洗い状態」必至の様相だ。リオ五輪は「過去」の出来事であり、数億円という開催コストをかけて派手なパレードを開催する必要はあるのか。未来志向のアスリートをいつまで振り回すつもりなのか。

 ■ロンドンの2倍の観衆

 ロンドン五輪に次いで史上2度目となる凱旋パレード。沿道の観衆は前回の2倍に膨らみ、約100万人の人出が予想されている。五輪とパラリンピックのメダリストらが大型バスに分乗。虎ノ門-銀座-日本橋ルートを中心に検討されている。走行距離は約4キロに及ぶため、混雑は前回よりも緩和されそうだが、パニックを警戒する必要がありそうだ。

 前回の「教訓」を踏まえて、パレードが通過する予定の銀座周辺のレストランでは早くも予約が殺到。すでに“場所取り合戦”が始まっているという。

 しかし、選手の側からすれば、それぞれの故郷で凱旋パレードを終えたメダリストも少なくない。リオ五輪が閉幕したのは8月21日(現地時間)。連日、メダルを首から提げたリオの戦士たちがテレビに駆り出され、家族や関係者、ファンの応援への感謝を述べる映像を見るにつけ、「もう、いいだろう」と気の毒に思えてくる。自国開催の東京五輪が4年後に迫る中、選手のコンディションや今後の身の振り方なども考慮して、「凱旋」は一度で十分だという声もある。

 ロンドン五輪の銀座パレードを観戦したという五輪ウオッチャーは「沿道に何層もの人だかりができて、パレードが過ぎてもしばらく自由に移動ができなかった。週末で混み合う都心でパレードを催すぐらいなら、被災地・東北で開催する案はなかったのか。メダリストに限らず、リオ五輪を最後に競技の第一線を去るフェンシングの第一人者、太田雄貴のようなアスリートも積極的に参加できるようにしたらどうか」と提言する。凱旋パレードは、4年後の「東京」へ思いを共有する契機にもなりそうだ。

 ■「ビリの英雄」へのまなざし

 1964年東京五輪の1万メートル決勝でトラックを3周遅れてゴールしたスリランカ(当時セイロン)選手を記憶する人は一握りの日本人だろう。誰もいないトラックを黙々と走り続ける一人のランナーに惜しみない拍手が送られ、夕暮れの国立競技場は「感動」に染まったといわれる。

 月日が過ぎ、スリランカの選手は不慮の事故で亡くなっていたことが分かったが、日本の有志らの呼びかけで、1997年にスリランカ大使館で「ビリの英雄」の偲ぶ会が開催され、感動のレースに思いをはせたという。

 4年に一度の五輪で、最大のパフォーマンスを発揮できない選手は珍しくない。リオでメダルを期待されながら不本意な成績に終わった「敗者への視線」を忘れないことも武士道の国民の品格といえるだろう。リオ五輪で日本選手のフェアプレーの精神や礼儀正しさが海外で高く評価されたように、「宴のあと」の観戦マナーでも世界に範を示すことで今世紀最大の凱旋パレードに対する批判も多少かわせるかもしれない。

最終更新:9月17日(土)14時45分

産経新聞

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