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怒りの元となる「依存」から抜け出すのは意外と難しい

朝日新聞デジタル 9月17日(土)9時10分配信

【安藤俊介のアンガーマネジメント】

 あなたには何か依存しているものはありますか? 依存というのは、それがないと生きていけない状態ということです。自分にそんなものがあるのかと思うでしょう。
 依存には軽度のものから重度のものまでありますが、私たちは実はかなりいろいろなものに依存して生きています。そしてその依存は怒りを生む原因になっているのです。なぜなら、何かに依存すると、それがある時にはじめて心の平静が保てるようになるので、ないとすぐに心のバランスを崩し、怒りやすくなってしまいます。
 もしあるものについて、ないと困る、なんとなく物足りない、不安を感じる。もしそう思うのであれば、それはもう依存が始まっています。
 食事系ものであれば、コーヒー、甘いもの、香辛料、お酒などが挙げられます。特にすごく欲しいと思っているわけでもないのに習慣として食べたり、飲んだりしているものはないでしょうか。おなかいっぱいなのに、食事の後に甘いものを食べないと何となく食事が終わった気がしないという人もいるでしょう。
 現代病とも言える依存の代表的なものはスマートフォンではないでしょうか。いつでもどこに出かけるにもスマホを持ち歩いている人が多いと思います。ここで考えたいのは、スマホの何に依存をしているのかということです。
 スマホへの依存は、スマホの機械そのものへの依存ではなく、スマホを使ってできる何かへの依存です。メール、SNS、情報といったものが挙げられます。筆者もスマホ依存と言える状態です。いつでも持ち歩いていますし、ないとなんとなく居心地が悪い、手持ち無沙汰を感じます。
 筆者のスマホ依存の内容は仕事です。仕事に関するメール、情報を常に知っておきたい、読んでおきたいという気持ちが強いので、いつも何かを見ている状態が続いてしまいます。逆に、比較的長期の休みの時はそれほどスマホを見ないし、パソコンで仕事をしている時もスマホを見ないことがわかっています。なので、一年に何度か、無理やり長期休暇をとることで依存状態から抜けだそうとチャレンジしています。
 依存している状態から抜け出すのは簡単なことではありません。そもそも自分が依存状態になっていることに本人は気づいていないということが多い。まずは自分がどんなことや物に依存している可能性があるのかを知りましょう。
 知るコツは、それがないと困る、なんとなく物足りない、不安を感じるかです。それができたら、次にどんな時にその依存から解放されるかを知ることです。解放されている状態を知ることができれば、その状態を再現することができます。
 知らず知らずのうちになっている依存状態。なくても大丈夫というマインドをつくれることが、怒りの感情と上手に付き合えることにつながります。

(文 一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事・安藤俊介 / 朝日新聞デジタル「&M」)

朝日新聞社

最終更新:9月17日(土)9時10分

朝日新聞デジタル