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「前代未聞」辞職求め追及 政治献金 唐津市長を書類送検 市長「地検判断待つ」

西日本新聞 9月17日(土)11時10分配信

 佐賀県唐津市の坂井俊之市長が政治資金規正法違反容疑で佐賀地検に書類送検され、捜査は大詰めを迎えた。13日の市議会一般質問で「前代未聞の出来事。潔く辞職を」と追及されたのに対し、坂井市長は「地検の判断が出るのを待つ。今の段階で処分後の責任に言及することはできない」と述べ、任期中の辞職を否定。共産党市議団などは定例会の会期中に不信任決議案を提出する構えをみせている。

 坂井市長は、政治献金に絡んで、市政治倫理審査会から「条例違反」の指摘を受け、来年1月29日投票の市長選には立候補しない考えを表明していた。

 一般質問で浦田関夫議員(共産)は「不出馬によって責任が免罪されるものではない」と厳しく指摘。「市長の品格、資質にかかわる政倫審の内容を受けて幕引きしないといけない」と辞職を迫ったが、坂井市長は「地検の判断が出た段階でしかるべき対応を考えたい」と述べるにとどめた。

 記者団の取材に対しては「恥ずべきことも多く、反省の一言しかない。捜査に協力いただいた皆さん方にも心からおわび申し上げたい」と謝罪の言葉を重ね、「任期は全うするということでいいか」という問いに「はい」と答えた。

 住民団体からも辞職を求める声が上がる一方、市議会の保守系会派「志政会」の進藤健介議員は「地検の判断が出て、市長がどう対応するのか見ていきたい。すぐに辞めるべきだとは考えていない」と話した。

業者「後援会指示で支部送金」

 住民団体の告発状提出から10カ月。坂井俊之市長の後援会が自民党支部を通して受けた企業・団体からの寄付金は、違法な「迂回(うかい)献金」に当たるのか-。県警は小口を含め、献金した企業・団体の代表、担当者から漏らさず事情聴取を重ねた。その数は約300人に上ったという。

 坂井市長が代表を務める自民党支部は2013~14年、企業・団体から受けた寄付金486万円の全額を市長の後援会に振り込んでいた。住民団体「唐津をよくする会」が昨年11月、迂回献金に当たるとして政治資金規正法違反の疑いで県警と地検に告発、同12月に受理された。

 唐津市のある建設業者は今春から複数回、事情聴取を受けた。自民党支部から坂井市長の個人後援会に寄付金が全額流れていたことについて知っていたかと捜査員に聞かれ「後援会から依頼され、指示通り自民党支部の口座に振り込んだだけだ。その後(金の流れが)どうなったか把握していない」と答えたという。

 同市の別の建設業者は今年3月に話を聞かれ、自民党支部への寄付金を依頼する後援会からの文書や、献金の支払い実績が分かる領収書、銀行口座の写しを提出。少額の献金をしていた関連の別会社も同じく事情聴取を受けたという。

 捜査関係者は「金額に関係なく、献金した企業はすべて担当者など200~300人を取り調べた」と話した。

 県警は、告発した「唐津をよくする会」の木村真一郎共同代表に書類送検を報告し「捜査資料は厚さにして10センチ以上になった」と話したという。木村代表は「まず一区切りだが、今後どうなるか注視する。地検はどんな判断をするにしろ、一般市民に分かるよう説明してほしい」と要望。任期中の辞職を否定した坂井市長については「市民に不名誉な思いをさせている状態が続いている。けじめをつけ、辞職するようこれからも求めていく」と語った。

西日本新聞社

最終更新:9月17日(土)11時10分

西日本新聞