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玄海原発の基準地震動、佐賀地裁が差し止め仮処分審尋

佐賀新聞 9月17日(土)10時51分配信

九電側「計算式精度よい」/市民側「過小評価の恐れ」

 原発に反対する市民が九州電力に玄海原発(佐賀県東松浦郡玄海町)3号機の再稼働の差し止めを求めている仮処分の第22回審尋が16日、佐賀地裁(立川毅裁判長)であった。熊本地震を受け、原子力規制委員会でも議論に上がった「基準地震動」について市民側と九電側の双方が主張した。

 基準地震動は、原発の耐震設計で目安となる揺れ。九電側は玄海原発で採用している基準地震動の計算式について「2000年以降の日本の地震観測記録をシミュレーションで精度よく再現でき、地震の最新の知見も反映する」と主張。市民側は「基準地震動が過小評価されている恐れがある。津波の評価での実績があり、日本地震の地域的特性を表す別の計算式を採用すべき」と反論している。

 審尋は非公開で、双方が選出した専門家が1人ずつ出廷し、それぞれの計算式の信頼性や妥当性を主張した。市民側の弁護士は「耐震設計の欠陥にもつながる基準地震動の評価が仮処分や原発訴訟の大きな争点になっており、司法の判断が注目される」と話した。

 基準地震動を巡っては、原子力規制委の元委員の島崎邦彦東京大名誉教授(地震学)が、4月の熊本地震の観測結果などから、玄海原発などで用いられている計算式の問題点を追及し続けている。これに対し、規制委の田中俊一委員長は7月、「専門家の間で知見が固まっていない」などとして、他の計算式を採用する考えがないことを明らかにした。

最終更新:9月17日(土)12時37分

佐賀新聞