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自転車盗が増…特にスポーツタイプ被害 屋内収納、ワイヤー錠固定を

埼玉新聞 9月17日(土)10時30分配信

 埼玉県内で今年に入って自転車盗の被害が増加していることが、県警への取材で分かった。中でもロードバイクやマウンテンバイクといったスポーツタイプの被害が急増。7月末までに盗まれた自転車の約6台に1台に当たり、県警は高価なスポーツタイプの自転車を狙った転売目的の組織的な犯行とみている。被害の抑止に向けて関係部署の担当者を集めて対策会議を実施。利用者にもチラシや防犯メールマガジンなどを通じ、警戒を呼び掛けている。

 県警によると、今年1月~7月に発生した自転車盗の認知件数は、1万2807件で全国3位。全国平均は昨年同期比で8・7%減少しているが、埼玉は5・7%(694件)増えている。刑法犯全体の認知件数に占める割合も上昇傾向で、5月単月は過去最大となる33・1%に達した。

 数字を押し上げているのが、スポーツタイプの被害だ。近年の自転車ブームを受け、趣味のほか、通勤や通学にロードバイクやマウンテンバイクを利用する人が増加。関東で昨年販売された自転車のうち、6・8%がスポーツタイプだった。中には数十万円する高価な自転車もあり、県警幹部は「部品だけでも高値が付き、プロの窃盗犯が転売目的で盗んでいる」とみる。

 2011年に1842件だった被害は、4年後の15年には1・6倍の2984件に上昇。自転車盗全体に占める割合も14年に10%を超え、右肩上がりの状態が続いている。被害場所は、集合住宅の駐輪場、戸建て住宅の敷地内が合わせて7割。被害に遭った自転車の施錠率をみると、自転車盗全体が5割なのに対しスポーツタイプは7割に上り、自宅で施錠された自転車が狙われるケースが際立つ。

 県警幹部は「スポーツタイプは普通の自転車に比べ、軽くて運びやすい。ワイヤー錠などで何かに固定されていなければ、施錠されたままトラックやワゴン車に積み込み、搬送されてしまう」と指摘する。「格好悪いから」などの理由で防犯登録していない自転車が多いことも、被害に拍車を掛けているという。

 加須市の男性会社員(41)は2年前に14万円のロードバイクを購入。以前、知人宅の敷地内に1時間ほど止めていた間に、ワイヤー錠を刃物で傷つけられたことがあった。その経験から、盗まれないよう「なるべく屋内にしまい、自転車を止めて飲食店などに入る際はガラス張りの店を選び、店内から目を光らせている。それも難しい場合は自転車を分解し、専用の袋に入れて持ち運んでいる」と話す。

 自転車盗の被害抑止に向けて、県警は街頭キャンペーンや防犯指導のほか、自転車メーカーや販売店舗にも協力を求めている。中でも被害件数が広がっているスポーツタイプについて、県警幹部は「自宅に駐輪する際も油断せず、可能なら屋内に収納してほしい」と愛車の保護を呼び掛けている。

最終更新:9月17日(土)10時30分

埼玉新聞