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【誰かに教えたくなる話】幕末のエラい人が残した、ちょっとハズカシイ手紙

TOKYO FM+ 9/17(土) 12:00配信

江戸時代は「恋にドはまりすること」は、粋でないこと、野暮で格好悪いこととされました。だからほとんどの人がやせ我慢をし、自分はそんなに恋には夢中になってないと、涼しい顔をするのが「江戸っ子」だったのです。でも、実際はそんなにうまくはいきません。いつの時代も、男性をひきつけてやまない魅力的な女性はいるものです。そんな女性を前にすると、どんなにエラい人もただの人……。今回は、そんな幕末の偉人のエピソードをご紹介します。

頼山陽(らい・さんよう)という人物をご存知でしょうか。
幕末の歴史家であり、思想家。江戸時代後期の日本を代表する漢学者です。
彼の書いた歴史書『日本外史』はベストセラーとなり、幕末から明治初期の人々に大きな影響を与えました。
そんな偉大な歴史家である山陽が、夢中になった女性がいます。
江馬細香(えま・さいこう)という、女詩人です。

細香は、詩人としての才能もさることながら、見た目も大変美しい、いわゆる「才色兼備」の女性。
ひと目会ったときから、山陽は細香に夢中だったといいます。
その証拠が、彼が友人へあてた手紙の中に残されているのです。

「薄化粧で質素ではあるが品のいい身なりをしており、清楚にして秀麗なる外見にくわえ、その才能はまことにすぐれたものである。芸術的なもの・道徳的なもの・文化的なもの……すべて山陽にとって不足なものはない。この女性を得ずして他に誰があろう」

これはベタ惚れです。
細香は山陽に漢詩を師事していたので、詩の添削をしてもらっていたのですが、山陽はこんなことも書いています。

「細香は詩の添削などをしてほしいと頼んでくるが、私は詩よりも彼女の全身を添削したいと思っている」

まさに、公私混同!
これだけ惚れた女性ですが、細香側の両親に大反対され、山陽は別の女性と結婚。
ですが結婚後、二人の愛人関係は30年以上も続いたのだそう。

情熱的な手紙は素敵ですが、真面目な歴史家がこんなことを書いていたかと思うと、ちょっと笑ってしまいますね。


(TOKYO FM「シンクロのシティ」のコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は、「偉~い歴史家が残した、ハズカシイ手紙」として、2015年10月29日に放送した内容を再構成したものです)

文/岡本清香

最終更新:9/17(土) 12:00

TOKYO FM+