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農場で家畜と育つ子たち、ぜん息に強い体質になると判明

ギズモード・ジャパン 9月17日(土)20時10分配信

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ヨーロッパで生じた宗教改革から逃れ、安住の地を求めて北米の地にたどり着いた人たちのなかには、いまでも厳しい戒律や風習を守り、独自の共同体を形成してコミュニティになっている様子が各所で見受けられます。その代表的なものが、アーミッシュ(Amish)およびハテライト(Hutterite)ですけど、両者の違いを研究することで驚くべき発見につながりましたよ。

このほどNew England Journal of Medicineに掲載された論文によると、アーミッシュの子どもたち(6~14歳)がぜん息にかかる割合は5%のみ! これは全米の平均的な罹患率を大きく下回っています。一方、アーミッシュと非常に似たライフスタイルを保っているはずのハテライトの子どもたちは、ぜん息にかかる割合が、その4倍以上の21%に急増してしまうんですよね。違いはどこにあるのでしょうか?

この疑問をもとに両者の農場での生活を比較した結果、1つの重要な相違点が発見されましたよ。いまでは近代的な農業機械を導入して大規模な農場を営むようになったハテライトとは異なり、アーミッシュは現在でも各家庭が小さな農場を管理。毎日家畜と触れ合い、馬が主な移動手段という昔のままのライフスタイルが保たれているんです。

”アーミッシュもハテライトも、決して不潔な家に住んでいるのではない。どちらの家も小ぎれいなものだ。ただし、アーミッシュの家畜小屋は、居住する家に非常に近く、子どもたちは裸足のまま日に何度も出入りしていることが判明した。”

この違いに着目したシカゴ大学およびアリゾナ大学の研究チームは、アーミッシュとハテライトの7~14歳の子どもたちの精密検査を実施。アーミッシュの子どもたちにだけ、細菌と戦う血液細胞の好中球が豊富に存在し、アレルギー反応につながる好酸球が少ないことを発見しましたよ。また、各家庭のハウスダストを分析した結果、アーミッシュの家庭には、主に空気中にハテライトの家庭の6.8倍も微生物が生存していることがわかっていますね。

小さなころから農場で家畜と触れ合って育つアーミッシュの子どもたちは、どうやらその生活環境から、免疫機構が丈夫になり、ぜん息を患う可能性が非常に低いと結論づけられています。さすがに現代社会に家畜を連れ込み、子どもたちが身近に接しながら生活することはできませんけど、同研究チームは、この発見がぜん息の新たな予防法の解明につながると期待していますよ。

そういえば、子どもをアトピーに強い体質に育てる意外な発見もありました。あまり無菌状態の過保護な温室育ちにはしないほうが、かえって子どもは健康にたくましく成長していくのかもしれませんよね…。

image by Andrea Izzotti / Shutterstock.com

source: New England Journal of Medicine

George Dvorsky - Gizmodo US[原文]

(湯木進悟)

最終更新:9月17日(土)20時10分

ギズモード・ジャパン

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