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にぎわう会場、創作の秘密に触れる 藤城清治展

北日本新聞 9/17(土) 20:57配信

 県立近代美術館で開催中の企画展「藤城清治 光よろこびメルヘン展」は17日、3連休を迎え、開館と同時に多くのファンが訪れた。急きょ開かれた学芸員のギャラリートークでは、日本を代表する影絵作家、藤城清治さん(東京)の創作スタイルや画材の秘密などが語られ、来場者は影絵の奥深い魅力に触れた。11月13日まで。県立近代美術館と北日本新聞社主催。

 企画展には藤城さんの初期の油彩画から富山の風景を描いた最新作まで239点が並ぶ。この日は3連休の初日とあって、朝からにぎわった。

 ギャラリートークでは、近代美術館の若松基普及課長が影絵の制作技法を説明。藤城さんが持ち手の付いたカッターではなく、カミソリの刃を直接手にしていることを紹介し、「指が傷付いてでも、自分の手そのもので切っているような感覚を大切にしている」と話した。

 影絵の材料となるのは、トレーシングペーパーや厚紙など、日常生活で身近なものが多い。紙の質感や重ねる枚数で影や色の濃さを微妙に調整していくという。「ありふれたものを使っても繊細な組み合わせで色やニュアンスを豊かに表現している。特に近年は複雑さを増している」と強調した。

 高岡市六家の会社員、広岡智香さん(36)は「こんなにも細かな表現を、機械ではなく手作業でやっているということに驚かされた」と目を丸くした。富山市新庄小5年の中村心咲(みさき)さん(11)は「モノクロの絵も水の波紋などを再現していてびっくりした」と笑顔を見せた。

 藤城さんは1924年生まれで、慶応大学在学中に影絵と出合った。編集者の花森安治に見出され、「暮しの手帖」誌に影絵を連載し、人気が広まった。絵本や画集を数多く出版し、全国で展覧会を開いている。

北日本新聞社

最終更新:9/17(土) 21:00

北日本新聞

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