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白馬岳の原稿を初公開 日本百名山、きょうから近代文学館

北國新聞社 9月17日(土)3時16分配信

 加賀市出身の作家深田久弥(1903~71)の代表作「日本百名山」で、北アルプス白馬岳(しろうまだけ)を紹介した久弥の直筆原稿が17日から、金沢市の石川近代文学館で初公開される。「山の文学者」として名高い久弥が、山の魅力を分かりやすく伝えるために推敲(すいこう)を重ねた痕跡がうかがえる。秋の企画展「作家と山山日本文学百名山」(北國新聞社後援)で展示する。

 石川近代文学館によると、久弥は「日本百名山」で、400字詰めの原稿用紙5枚、もしくは200字詰め10枚の分量でそれぞれの山について執筆した。400字詰めで書かれた白馬岳の直筆原稿は、本来は5枚あると考えられるが、同館には2枚しかなく、ほかの3枚は確認されていない。

 白馬岳について久弥は、「登山者を退屈させないふうに道に変化があるばかりか、登りも割合やさしいから、北アルプス中で最も人気を集めているのも当然である」と評価した。直筆原稿では、「大衆的」を「最も人気を集めている」と書き改めるなど、思考の跡が残されている。

 同館によると、白馬岳の直筆原稿は開館した68(昭和43)年から所蔵されている。開館当時、同館のパンフレットに久弥の寄稿文が掲載された縁があることから、直筆原稿は久弥本人から寄贈されたとみられる。

 奥田知穂学芸員は「原稿は編集者に配慮するように、丁寧で読みやすい字で書かれており、久弥の人柄がにじみ出ている。表現が何度も手直しされ、執筆に苦心した様子が分かる」と話した。

 秋の企画展は、8月11日が「山の日」に制定され、来年に白山開山1300年を迎えることにちなみ、山をテーマとした。白馬岳の原稿のほか、加賀市深田久弥山の文化館が所蔵する直筆原稿18編を順次展示する。日本百名山に登場する山の写真や解説、石川県内の山が描かれた文学作品も紹介する。11月27日まで。

北國新聞社

最終更新:9月17日(土)3時16分

北國新聞社