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柏崎刈羽原発に並ぶ特殊車両の列、膨大な投資と人材-再稼働に向け

Bloomberg 9月16日(金)6時30分配信

美しい海岸線が連なる新潟県の日本海沿いに位置する柏崎刈羽原発。東京電力ホールディングスは、再稼働に向け総額4700億円をかけた安全対策工事を進めている。消防車や電源車、コンクリートポンプ車など100台近い特殊車両が整然と並び、現在、工事や訓練などに6600人の作業員が出入りしている。

津波に備えた海抜15メートルの防潮堤や火災の延焼被害を防ぐ全長4キロメートルの防火帯が完成。代替の電源や冷却システムのほか、放射性物質を除去するフィルターを備えた排気設備も配備した。柏崎刈羽原発の設楽親所長はブルームバーグのインタビューで、二つの大きな地震を契機に設備や人員が整い、原発を「しっかり守っていきます」といえる状況に近づいたと話した。

同社の有価証券報告書によると、原発が全て停止していた2015年度の原子力発電費は6063億円。この費用には原発関連工事の外注先への委託費や人件費、修繕費などが含まれており、電気事業の営業費用全体の11%を占めた。原発が動いていた10年度にはこの比率は11%だったが、その後の4年間は7-8%台で推移。しかし、安全対策工事を委託する外部の企業への発注が増えたことなどにより、15年度には比率が11%に戻った。金額も14年度比で11%増えている。

柏崎市と刈羽村にまたがる柏崎刈羽原発は、全7基で出力800万キロワットを超える世界最大の原発。ただ07年に3基、残る4基が東日本大震災後に定期検査のため順次停止。それ以降4年にわたり全基が停止した状態が続いている。東電HDはまず6、7号機(各135万6000キロワット)の再稼働に向け13年9月、原子力規制委員会に安全審査を申請。しかし審査の中核部分となる設置変更許可はまだ下りていない。

収益改善効果2400億円

東電HDにとって、原発の再稼働は燃料価格の変動に左右されない電源の確保となり経営安定化の要。足元では原油価格の下落で15年度の営業利益は3年連続の増益となったが、ひとたび高騰すれば大きな圧迫要因となる。廃炉や損害賠償の費用は拡大しており、最大で年2400億円の収益改善効果をもたらす柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働は大きな助けとなる。

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最終更新:9月16日(金)6時30分

Bloomberg