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JR九州:鉄道より駅ビルやホテルが投資家に魅力、副業で収益

Bloomberg 9月16日(金)10時18分配信

10月下旬に新規株式公開(IPO)が決まったJR九州は、鉄道事業の他に不動産事業やレストランやホテルなどを展開し収益の多角化を図っており、それらが投資家への魅力となっている。

新幹線や高級観光寝台列車クルーズトレイン「ななつ星」などを運営するJR九州だが、利益の過半を駅ビル・不動産事業など鉄道サービス以外の事業が稼いでいる。大型商業施設の運営、ホテルや分譲・賃貸マンション事業などにも取り組んでいる。上場により政府の手を離れて完全民営化することで、より自由な経営判断で事業展開が行えることになる。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、JR九州は鉄道より不動産やその他の事業への取り組みが投資家を魅了する可能性があるという。海外ツアー客増は収益に貢献していると指摘、自身も株式取得を検討しているという。九州にはクルーズ船で訪れる外国人客も多く、政府が進める大型クルーズ船用の港湾整備は追い風だ。

「むしろ不動産事業会社」

DZHフィナンシャルリサーチでIPO担当の田中一実アナリストも「JR九州の鉄道事業の成長は限定的だが、むしろ不動産事業会社とみなす投資家は、成長余力があり魅力があるとみて買うのではないか」との見方を示した。

今期(2017年3月期)の業績見通しでは運輸サービスで売上高1736億円、営業利益230億円を見込んでいる。一方、駅ビル・不動産サービスは売上高643億円、営業利益211億円、流通外食サービスは売上高983億円、営業利益30億円、ホテルを含むその他事業は売上高586億円、営業利益17億円をそれぞれ見込む。全体では売上高で前期比ほぼ横ばいの3788億円、営業利益は2.5倍の518億円といずれも過去最高を目指す。

JR九州の全株式を保有する国土交通省所管の独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構による今回の売り出しでは、上場時価総額は3920億円と試算される。ブルームバーグのデータによると、市場吸収額は世界で今年2番目となる見通し。国内のIPOでは、7月に上場した無料通信アプリを運営するLINE(ライン)に次ぐ時価総額だが、市場からの吸収額はラインの約1330億円を上回り最大となる。旧国鉄の事業会社の上場では7社に分割された後、1993年のJR東日本、96年のJR西日本、97年のJR東海の以来4社目となる。

鉄道運輸機構によるJR3社の完全民営化による株式売却額は、合計4兆円余りに上る。同機構の公開資料によると、JR東日本の株式の売却収入は計1兆9939億円、JR東海は計1兆2919億円、JR西日本は計7485億円となっている。これまでの3社は全て複数回での売却だがJR九州については一括売却の方針。

最終段落にJR3社の株式売却について加えます.

Kiyotaka Matsuda, Chris Cooper

最終更新:9月16日(金)12時52分

Bloomberg